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漢字一文字の旅  紫式部市民文化特別賞受賞作品

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33―6 【面】

 【面】は(メン、つら、おもて)で、目だけが表れている仮面の形だとか。
 そう思って、【面】という字を眺めてみると、なるほど目がギョロッとしてるような……?

 そんな【面】、「白」と引っ付き「面白い」となる。
 【面】が「白く」て、なぜ「面白い」のだろうか? 不思議だ。

 調べてみると、いろいろ説があるようだ。
 いくつか紹介してみよう。

 説1 楽しい時は目の前がぱっと明るくなり、
    【面】(顔)が白く照らされたようになる。
    この状態を「面白い」という。

 説2 昔、人たちは火を囲んで楽しく談笑した。
    顔が白く浮かび上がり、
    その楽しい状態が「面が白い→おもしろい」と。

 説3 友人とバカ話し。笑いすぎ、咳き込んだら、顔面蒼白に。
    そこから「顔面蒼白→面が白い→おもしろい」となった。

 説4 妻が真っ白に化粧し過ぎた。
    それを見た夫、思わずプッと吹き出した。
   「化粧→面が白過ぎ→おもしろい」となった。

 そして本邦初公開、ここに吾輩の新説を。
 なぜ【面】と「白」が引っ付き、「おもしろい」という意味になったのか?

 新説 厚かましい部長が気に食わない。
    宴会で酔いつぶしてやって、ヤツの面皮を剥いでやった。
    そうしたら、その下から「白」(白骨化したドクロ)が表れた。
    恐くってギョッとしたが、これって結構ゾクゾク、ワクワクした。
    だから「面皮を剥ぐ、白→ゾクゾク、ワクワク→おもしろい」となった。

 とにかく【面】、面白すぎる漢字なのだ。