小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

漢字一文字の旅  紫式部市民文化特別賞受賞作品

INDEX|18ページ/269ページ|

次のページ前のページ
 

3―1 【風】

 【風】は「帆」の原字の「凡」と、「虫」が組合わさった漢字。

 しかし、なぜ虫なのだろうか?
 一説に、「かぜ」が吹き、虫が揺らされている様だとか。「うーん、これこじつけ?」と言いたくなる。
 そんな【風】、映画では、やっぱり――「Gone with the Wind」
 ヒロインのスカーレット・オハラの波瀾の人生を描いた「風と共に去りぬ」だ。
 その映像の中に、今でもアメリカで一番人気のセリフがある。それはレット・バトラーがスカーレット・オハラに吐いた捨てゼリフ。 
 振り向きざまに、「Frankly, my dear, I dont give a damn.」
 要は、「知らないね、勝手にするがいいよ」と言い放つ。
 この「damn」が宗教上の観点からアメリカ人に衝撃を与えたとされている。

 さて、それでは日本人にとって、人気のあるセリフは何だろうか?
 それは、その後に続く、スカーレット・オハラの最後の言葉だ。
 「After all, tomorrow is another day.」

 これが名訳され、字幕として登場した。
 ―― 明日は明日の風が吹く ――

 まことに上手いこと訳したものだ。
「明日はもう一つの日」を、「明日は明日の風が吹く」とは。

 そして、その映画の初公開からすでに70年以上の歳月が流れた。
 しかし、やっぱり明日になれば吹くだろう、明日の風が。
 しかも、きっと心に優しい風が……。

 いや、そうあって欲しいものだ。