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漢字一文字の旅  紫式部市民文化特別賞受賞作品

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25―2 【憩】

 【憩】、「舌」と「息」と「心」が組み合わさっている。
 だが「舌」はべろではなく、「活」。「息」は「休息」の意だとか。そこから休息して活力を回復させる意味となる。

 かって「いこい」という煙草があった。
 昭和31年(1956年)に、茶色のパッケージに五線譜と四分休符、こんなデザインで販売開始された。
 20本入りで、40円、後日は60円に。タールは13ミリグラムだ。
 「今日も元気だたばこがうまい!」
 これがキャッチフレーズだった。

 そう言えば、大人たちは美味そうに吸っていたのを思い出す。まさに【憩】のようだった。

 この「いこい」は当初「しんせい」とともに、すでにあった「ゴールデンバット」や「光」より人気商品となった。

 しかし、昭和35年(1960年)、フィルター付きの「ハイライト」が登場する。これで人気は下降線に。
 結果、昭和49年(1974年)に生産は終了する。それ以降、街角で【憩】ってる大人の姿は見られなくなった。

 それにしても「ゴルデンバット」、明治39年(1906年)に発売開始され、一世紀の時が流れた。そしてそれにも関わらず、現在も売られている。

 驚きだ!
 要は「金のコウモリ」が【憩】に勝ったということなのだろうか?

 いずれにしても、【憩】という漢字、こんなことを思いながら、充分に【憩】わせてくれる。