漢字一文字の旅 紫式部市民文化特別賞受賞作品
19―1 【再】
【再】は組紐(くみひも)の形だとか。
器具の上下に算木「一」を置き、それを折り返して紐を組んでいくため、「ふたたび」の意味になったそうな。
なるほどと納得してしまう。
この漢字一文字の旅、第18章で煩悩の数、百八つの漢字を訪問した。
少しマンネリになってきた時に、【再】は魔法の漢字。
心新たに【再】出発、勝手に心機一転できるのだ。
さてさて、喜びも『ひとしお』です、という言葉がある。
この『ひとしお』は「一塩」ではない。喜びに「塩」なんか振って、どないすんねんとなる。
これは『一入』と書く。
織物を染める時に、一回染料に浸けることを『一入』というらしい。
そして、二回が『再入』(ふたしお)という。
ならば、この『漢字一文字の旅』、百八つの漢字後の【再】スタートで、喜びも『再入』(ふたしお)です……という心境かな?
作品名:漢字一文字の旅 紫式部市民文化特別賞受賞作品 作家名:鮎風 遊