小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

漢字一文字の旅  紫式部市民文化特別賞受賞作品

INDEX|103ページ/269ページ|

次のページ前のページ
 

15―2 【飛】

 【飛】、鳥が羽を広げて「とぶ」形だとか。

 こんな【飛】、飛ぶのはなにも鳥だけではない。熟語となり、なんでも飛ばしてしまうのだ。
 耳を飛ばして、「飛耳長目」(ひじちょうもく)。
 「飛耳」は遠くのことが聞ける耳。「長目」は遠くまで見通す目。だから、意味は見聞に精通していること。
 また、蚊を飛ばして、「飛蚊」(ひぶん)症。これはちょっとやっかいだ。

 時は今から一千百年前、菅原道真は太宰府に流された。そして詠んだ。
 『東風(こち)吹かば にほひおこせよ梅の花 主なしとて 春な忘れそ』

 この梅、実は京の自宅にあった梅。それが道真の後を追って、太宰府まで飛んで行ったとか。
 したがって、それ以来、『飛梅』(とびうめ)と呼ばれている。

 なにかお魚の「とびうお」と勘違いしそうだが、とにかく『飛梅』、三月ともなれば太宰府で見頃となるそうな。
 【飛】んで見に行きたいものだ。