小悪魔メフィとファウスト博士
待ち人は来ず
人間は…面白い!!
何故かって?
考えても考えても何も分からないからさ!
そうだろう?
博士も同じ事を思っているはずだぜ。
こいつと一緒にいればきっと面白い事が沢山待ってる…!
何が何でも俺に振り向かせてやるさ。
フッフフーン
俺のラブコールが失敗したことなんて今まで一度もないんだぜ。
待ってろよ!今会いに行くぜ!
<午前0時 博士の部屋>
窓からは心地よい風が吹いている
さすが秋の夜長というところだろうか
「ち…逃げられたか…」
その部屋はすでにもぬけの殻となっていた。
荷物一式消えていたのだからまさにこれは
いわゆる夜逃げというやつだろう
(俺一人のために引っ越しとは…俺相当愛されてんな。
しかしこんなことしても無駄だって分からないかねぇ。俺は悪魔だぜ。必ず見つけ出してやる。)
悪魔が窓から飛んで何処かに行った…あれ?こいつ飛べるんだっけ?
ドスゥゥゥン
しばらくしてから救急車のサイレンが鳴り響くことになった。
その頃、博士はというと…
「ざまあみろ悪魔め。うまく引っかかりやがったな。俺はずっとここにいますよーなんてな。夜逃げしたフリして、クローゼットに隠れてて正解だったぜ。
もう2度とここには来まい。せいぜい汗水垂らして町中…いや国中を探し回るがいいさ。一層この国から消えて欲しいもんだがな。天邪鬼、疫病神、極悪非道悪魔野郎め。」
こうして、悪魔と博士の友情を深める(?)イタチごっこが始まったのであった。
作品名:小悪魔メフィとファウスト博士 作家名:甘楽