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2日間

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東京⇒新大阪



向かうときは
自覚はなかったけど不安だったのかもしれない

新幹線は目的地まで少しずつ近づいていって
新大阪まで迎えに来てくれる彼は車の運転中
道中はずっとLINEでねえさんとやりとりをしていたけど
彼はなかなか参加できなくて
運転席からの画像を時々ポンと貼る

3列シートの通路側の席にいて
左右の窓どっちもちょっと遠くて
ずっとウォークマンが耳にささってたから
どこを通過したっていうアナウンスを聞いてなくて
今どこらへんを通っているのかがさっぱりわからん

そうこうしてるうちに
味の素の工場らしき建物がそばの景色に見えた
やっとめぼしい建物が見えたぞと思って
検索してみたら
味の素の工場は3つ 川崎・東海・九州
だったら東海あたりじゃね?
東海工場の住所は三重県だった
アクセスマップ開いたら名古屋より先にピン立ってる
あれれ?
ねえさんとあたしの地理バカとんちんかんな会話が繰り広がる

彼が新大阪に到着して画像が届いた
見てちょっと泣いた
それが呼び水になってたんだと思う

泣いてたのが落ち着いて少し経って
新幹線は京都に着いた
そのあとは13分で新大阪に着いちゃうから
京都を出た時点で席を離れてデッキへ行った
外の景色に大阪っぽさが多くなってくる

もうすぐ

そしたらまた涙がこみあげてきて
わあ やばいやばい って思ってるうちに
もう本泣き
人が見てどう思うんだろ ってちょっと思ったけど
どうして泣いてるのかわかんないけど
デッキにいて正解だった
また大量の鼻水に見舞われた

新大阪に着いた
降りるドアの前に人はいなくて
見回したら彼を見つけた
ハンドタオルで鼻を押さえながら
泣いたまま彼に真っ直ぐ向かっていって
文字通り胸に飛び込んで
やさしく強く抱きしめられながらしばらく泣いた

会う日が決まってからの会話に
「ホームに降りたら抱きつきたいの」
っていうのがあったけど
あんな風になるなんて思ってなかった


作品名:2日間 作家名:SMTK