夕方の星が煌くように
「夕方の星が煌くように」
海の浜辺に突き出たデッキは南イタリアのようで、夏の日差しに似合っている。
メールで呼び出した彼女は、昨日別れた女性とは別のその昔の女性だ。
「久しぶり。どしたのよ、こんなところで黄昏れちゃって・・・」
背中から聞こえた彼女の声は懐かしい声だった。
「やあ、久しぶり。突然で悪かったな」
「何、飲んでるの?」
「ウォッカトニック。暑い日にはクールでいいぜ」
「じゃ、私もそれ貰おうかしら」
彼女はアロハを着た店員を見つけると片手を上げ、同じものを注文した。
都会の沿岸部を埋め立て、人口の砂浜を作ったベイサイドの風景は、中央に洋館の結婚式場が海上に浮いたように作られ、両サイドにはおしゃれな飲食店が並び、夏の海風が砂浜に立てたカラフルな旗を揺らして、リゾートの雰囲気を作り出している。
ここを設計したデザイナーの意図が組み込まれてるかどうか知らないが、このエリアも30年ほど経過し、昔とはずいぶん風景が変わってきた。
ボートをつなぐポーンデッキは潮風や波に洗われ、いい具合に古びている。僕はロープで係留された白いボートが揺れるのをさっきから、ずっと見ていた。
頭の中は昨日別れた彼女のことでいっぱいだ。
今まで付き合ってきた中で一番長く、時間を分けあった彼女は僕達の過去を精算するため他の男に抱かれ、それを僕に告白した。
いや、告白したというより、彼女の携帯のメールを覗き見て愕然となった僕に正直に告げただけだ。
海の浜辺に突き出たデッキは南イタリアのようで、夏の日差しに似合っている。
メールで呼び出した彼女は、昨日別れた女性とは別のその昔の女性だ。
「久しぶり。どしたのよ、こんなところで黄昏れちゃって・・・」
背中から聞こえた彼女の声は懐かしい声だった。
「やあ、久しぶり。突然で悪かったな」
「何、飲んでるの?」
「ウォッカトニック。暑い日にはクールでいいぜ」
「じゃ、私もそれ貰おうかしら」
彼女はアロハを着た店員を見つけると片手を上げ、同じものを注文した。
都会の沿岸部を埋め立て、人口の砂浜を作ったベイサイドの風景は、中央に洋館の結婚式場が海上に浮いたように作られ、両サイドにはおしゃれな飲食店が並び、夏の海風が砂浜に立てたカラフルな旗を揺らして、リゾートの雰囲気を作り出している。
ここを設計したデザイナーの意図が組み込まれてるかどうか知らないが、このエリアも30年ほど経過し、昔とはずいぶん風景が変わってきた。
ボートをつなぐポーンデッキは潮風や波に洗われ、いい具合に古びている。僕はロープで係留された白いボートが揺れるのをさっきから、ずっと見ていた。
頭の中は昨日別れた彼女のことでいっぱいだ。
今まで付き合ってきた中で一番長く、時間を分けあった彼女は僕達の過去を精算するため他の男に抱かれ、それを僕に告白した。
いや、告白したというより、彼女の携帯のメールを覗き見て愕然となった僕に正直に告げただけだ。
作品名:夕方の星が煌くように 作家名:海野ごはん