ヤマト航海日誌
おれはと言えばその昔に『ダイ・ハード2』の先行オールナイトを日比谷で見た興奮が忘れられないが、嘆かわしいのが『2199』。最初からテレビアニメとして作ったものをOVAと偽ったうえに、劇場で先行公開してカネを稼ごうという見上げた根性。そこまでやって黒字出たから大成功と言ってらっしゃる。風呂屋の煙突。
よくもそこまで西崎の教えを忠実に守れるものだ。『シェイム・オン・ユー!』という言葉は耳に入らないのだろうか。
『2199』を劇場に足を運んで見るやつは、出渕裕が分泌する変な汗が混ざった液を〈アストラル・ドリンク〉だとか言って飲むわけだろ。『出渕汁は勇気のしるし〜』とか歌ってセル画をセッセと描かされ、二十四時間経った頃には廃人と化していて、藪その他のショボクレのようにポイと捨てられる。それがアニメ業界だとみんなどこかで聞いて知ってるはずだろうに。
出渕裕が大事にするのはコネを持ってる山本みたいな人間だけ。ほかはみんな使い捨てと古代の顔に書いてある文字が解読できないのか。
それじゃやっぱりオウム教徒と同じだよなあ。〈ヤマト〉の艦橋クルーにしてもみんな地味エリートだよなあ。沖田が麻原で古代が上祐、島に南部に太田に相原は誰が村井で誰が林かなんてこと、昔から人に言われてきたけどさ。
そりゃあ言うだろ、誰だって、ねえ。『〈ぶっちゃん真田〉はサナダ虫でも研究してろ』とか、ねえ。いくらなんでもそこまで言うのはあんまりじゃないかと思うようなことを。
おれなんか、とてもそこまで人を悪く言えません。て言うか正直、村井秀夫や林郁夫と名を聞いても、どれがどれやらわかんないしね。顔と名前が頭ん中でつながらない。
ミミズと一緒であまり正視したくもないから、顔の区別ができんのですよ。できるようなら要人警護の仕事なんかも就けるのかもしんないけど、無理だな。おれは、南部や太田になれんと思う。
基本的に松本零士が加わる前からいるキャラ達で、デザインしたのも〈スタジオぬえ〉のビル・プルマンみたいなやつでしょ、ほんとは。だからコネと学歴だけで個性がないような感じなんでしょ。
ビル・プルマン。うん、おれはね、脇役としては好きだったよ。ほんと普通な感じでね。島大介みたいだよね。あんまり異常な状況で女と結ばれる感じじゃないよね。そこがかえってカルトとか走ると怖そうな感じでしょう。役者として悪くないのは確かだけど、しかし戦闘機パイロットですか。
誰もが言うけど、それはパッとしねえなあ。エメリッヒに作らせたら『ヤマト』も『ブルーノア』か『オーディーン』だよ、きっと。『2199』よりはそれでもマシだろうけど。
上祐史浩の顔だってよく見りゃブロデリックがいいとこじゃねえのか? 他があんまりキモ過ぎるからあれが古代に見えるだけでさ。ミミズ男はエロマンガ島にでも行って、変な生き物を蘇らせる〈カンブリア・ワールド〉でも建設してればいいんだ。