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ヤマト航海日誌

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2019.8.09 さらば新たなる旅立ちよ永遠に



今日は別れの挨拶です。これまで私の『敵中』とこの日誌を読んでくださった皆様方、どうもありがとうございました。このログが最後の更新となります。

なぜなら、あなたがこれを読んだ数時間後に私はこの世にいないからです。

告白しますが私は癌で両脚を失い、右腕も失くし、今は視力と左腕も失くそうとしている人間です。失うものはもう命しか残っておらず、それも尽きようとしています。

思うに私は本来ならば六年前に死んでいる身であるのですが、それと言うのも『コート・イン・ジ・アクト』を書くために無理をして体を壊したからでした。余命半年の宣告を受けたとき見ていたのが『ヤマト2199』の地上波放映でした。こんなものが『ヤマト』だなどというのを許しておけるものか。どうせ残りわずかな命だ。書けるところまで書いてやる。そうしたならばきっとおれのオリジナルも……と奮起して始めたのがこの投稿で、これまで頑張ってまいりましたが、それも限界が来たようです。胃は食べ物を受け付けず、点滴の針を刺す場所もありません。延命措置もこれまでで、もうこの夏の終わりまで私は生きられないでしょう。

よって、これより最後の力を振り絞って『敵中』を書き上げようと思います。私の頭にはイスカンダルでコスモクリーナーを受けとって地球へ帰還するまでの原稿用紙で五千枚、文庫本10巻相当の構想があり、PCに打ち込まぬうちは死ぬに死ねない。しかし、明日にはもうできない。

となればもう、今日にやるしかないでしょう。大丈夫、できます。遺書は既に書いてあります。私はこれから『敵中』を書き上げそしてそこで死ぬ。遺族には一時間だけデータをこのサイトに出してしかるのち、他のサイトに出したものも含めてすべて削除するよう指示してあります。

そうです。あしたの何時になるかはわかりませんが60分間のうちだけです。そのあいだにすべてをコピペできる者はふたりといないでしょう。できたひとりの者だけが私の『敵中』と『コート・イン・ジ・アクト』を自分の書いたものとすることができるのです。

ああ、もう、私はそれでいい。死を前にして私は今、とても安らかな境地にいます。不思議にほんの半日あればすべて書き上げられるという自信がみなぎっているのです。ロウソクの火が消える前の最後の輝きなのでしょうか。

今までこの日誌にずっと、ひどいことを書いてきたのをお許しください。しかし、すべては私でなく、私の病が書いたことです。命にしがみつく私の心がああ書いた。でなくばとても、今日まで生きてこれなかったことでしょう。それをどうかご理解ください。

ですが、それも終わりです。こんな私のこの日誌をこれまで読み続けてくださった皆様、ありがとうございました。もしあなたがコピペに失敗し、誰かが自分が書いたものとして私の作を発表しているのを見ても、決して『本当の作者は島田だ』などと訴えないでください。どうせこの日誌も明日には消えてしまっていて、後に証拠は残っていません。だから、あなたの言うことを信じる者はいないでしょう。

さようなら、皆さん。さようなら。どうかいつまでもお元気で。
作品名:ヤマト航海日誌 作家名:島田信之