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ヤマト航海日誌

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いや、あのゲーム脳のガキと一緒で、どこか音の聞こえない他所(よそ)でやってくれるぶんには、という話でもあるんだけど……ねえ、それって、カイ・シデンじゃないですか。成長したらスレッガーじゃないですか。そいつが悩み苦しみながら、成長してく姿をちゃんと描ければね、いいのだけどという条件つきだが笹本にやらせたのが間違いだったね。

主人公が榊裕で沖田玲郎のまま終わる。それダメ。嫌い。それじゃダメ。だからあの〈戦記〉は〈物語〉にはなっていないと言うしかない。

すべての不良がチンピラというわけでなく、カイ・シデンは不良であっても決してチンピラなどでないのは、出てきた時点にひとめでわからぬようではいけない。でも安彦の『オリジン』では、カイ・シデンがチンピラなんでしょ。それダメ。嫌い。それじゃダメ。そんなの見なくてわかるから、おれは『ガンダムオリジン』を見ない。

おれのオリジナル、『コート・イン・ジ・アクト』。そのパート4、『あした天気にしておくれ』。あれに出してる〈篠原〉というキャラがヒロやカイ・シデンが立派に成長したようなやつだという設定で、話の公開してない部分で弱きを助けて暴れまくる。その封印をおれとしては解きたいんだが、読むやつがみんな盗みを狙ってる今の状況ではダメだ。

でもまあ、どうだろ。バンダイとか、社員はたくさんいるんだろう。『「ヴィナス戦記」は何が悪かったんだろう。まあいろいろと悪かったけど』なんて思ってるやつがたくさんいるんだろ。うちひとりがこのサイトを見て思ったりしねえかな。一位になんだかSFアクションぽいのがあるからちょっと見てみて『ダメだこりゃ』と思った後で、『東の空に宵の明星があるように、「ヤマト航海日誌」ってのが、なんかいつもここにあるなあ。なんだこれ』とか、そういうことを。

そうなったとき、君の『盗用できる』という儚い望みが消えるわけで、いつそうならぬとも限らない。だからおれはノンビリとそれを待っているわけなのだ。『ヴィナス戦記』もそのうちにケーブルTVでやるだろうから、おれはノンビリとそれを待つのよ。

だって、別に急いでねえもん。けれども君は、盗用するなら急がなければならんのじゃないかね。バンダイ社員のひとりがこれを、明日に読むかもしれんのだぞ。君にとっては金星に逆回転されるようなものではないのか。

(付記:『金八先生』で武田鉄矢が歩くのは隅田川でなくて荒川の土手だった。隅田川は荒川の支流で、ちょい横を流れている)



作品名:ヤマト航海日誌 作家名:島田信之