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ヤマト航海日誌

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2015.3.22 広告代理店の進ちゃん



このあいだ、『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』の冒頭映像とやらを見た。制作会議の情景が目に浮かぶようだった。

だいたいこんな感じだろう。コー告ダイ理店の社員で『さぞかしいい成績で大学お出になったんでしょうね』という顔をした人物が〈制作進行〉とかいうような席にいて、この〈シン〉ちゃんが、


「オリジナルの『ファースト・ガンダム』、あれは良くないですねえ。昭和の子供はよくあんなのを見ましたね。リュウやマチルダをいま殺したら、テレビ局に抗議のメールが殺到して大変ですよ。スポンサーの苦言を聞く者の身にもなれってえの。逆にハヤト。こういうのは途中でちゃんと殺さないとダメでしょうが。主人公を妬むやつをなんで最後まで生かすんですか。ジョブジョンとかオスカにマーカなんていうのはみんな萌えキャラにして……ひとりひとりが誰だかちゃんとわかるようにして、おっぱいボーンと大きくしてね。今はフィギュアと抱き枕カバーで稼ぐ時代になったんですから。でも何より最悪がミハル! ミハルですよ、なんすかこりゃあ。女スパイがこんなに地味で今の若者が見ると思うの? もっと派手にメイド服かなんかで出して、死んで終わりは良くないですから改心する話に変えましょ、『どんな事情があろうともスパイ行為は犯罪でありやってはいけないと知りました』とね。だいたい、大人なんだから、大人の話が作れるでしょう。プロの仕事をしましょうよ」


と言って、それから〈シン〉ちゃんは、


「そこへ行くと〈ぶっちゃん〉、出渕裕さん。あの人はほんとプロだよなあ。ボクがなんにも言わなくてもやるべきことをやってくれる。大人ですよね、本当の大人。『ヤマト2199』、もう完璧でしょう。だから『ガンダム』もあのセンでもって……」


がんばってください。おれは『ORIGIN』、絶対見ないと決めましたけど。陰ながらまあせいぜいと言わせていただきますから。

『ガンダム』なんてほんとのプロならあのロボットを灰色に塗って終わりだろうに……けれどそう考えるところがおれはアマチュアなんだろうな。さて抱き枕、じゃない、話のマクラが長くなったが、今日の本題は投稿を再開したおれの『赤道』だ。これまで読んでくれている人がいるなら承知だろうが、加藤が古代をアマチュアだと呼ぶところで中断していた。

〈ヤマト〉は明日にも太陽系を出なければならない。だが冥王星は迂回できない。だから古代を一日でプロにしようという話をこれから書いていくんだけど……やってるおれがアマチュアなんだからしょうがねえよな。前回の『グリ森』も気に入ったんで〈パブー〉っていう電子書籍のサイトに出してみたんだけど、どうせ読むやつはいないだろうし。あ、言っとくけどあの話、信じないでね、トンデモだから。

『絶対外れる馬券術』ってのもたぶん最後まで読んだのはひとりもいないことと思うが、あれで大手出版社の編集者から『これはおもしろいから新人賞に出せば』なんて評をもらったこともあったりする。むろんそんなの、今日おれが『赤道』に足した『ディンギー』って節で佐渡先生に言わせたセリフと同じでてんで信用できない。でも他の者はだいぶけなされていたなかでおれのは褒めてたんだから少しはどうかという気もしてはいるんだが……。

けど結局、アマチュアのコンテストで特別賞止まりだしなあ。まあふつうは予知能力で馬券を〈外す〉話なんて見向きもするもんじゃないよな。グリコ事件のときの看板と同じでさ。

とにかくおれにプロの仕事はできないさ。まさかそんなものおれに期待するやつもいないと思うが。


(付記:冥王星編は初め『絶望の中の希望 第二部 赤道の白夜』という題だった。ここで『赤道』と書いているのはその意味である)

(付記2:これを書いた時点では、『ガンダムORIGIN』が〈ファースト〉の前日譚とは知らなかった)



作品名:ヤマト航海日誌 作家名:島田信之