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ヤマト航海日誌

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2019.2.12 ステルス敵機におれの正体を知られた件



このあいだここに、〈ハーメルン〉でおれの『ザ・コクピット――』に低い点をつけた何人かの話を書いた。で、後で見てみると、そのうち〈ステルス兄貴〉ってのがあそこで『ヤマト』の二次小説を書いておれの10倍も読まれているのがわかった。もちろん、君なら読んで盗む価値ないと思うようなものだから人に読まれているわけである。

ふうん、と思っておれは早速、

   *

素晴らしい作品、☆10つけさせていただきました。さすが多くの読者を集めるものは違いますねえ。

私も『ヤマト』の二次小説をここに出したけどサッパリで、力不足を感じているところです。

それはともかく、先日は私の作を評価いただきありがとうございました。でも、他の方には☆9か8なのに私のだけ☆5ですか。なるほど。

これが多くの人に読まれている方からいただいた評価として謹んで身に受け止めたく思います。今日はご挨拶まで。またコメントします。

   *

と書いて送ってやると、なんと一分も経たないうちに〈ステルス兄貴〉君のやつ、おれの評価を☆5から☆9に上げたよ。あまりの早さにむしろこっちが驚いちゃった。

あんまり驚いたもんだから、せっかくの初コメントをすぐ削除して無かったことにしたのだが、でもその後で惜しいことをしたと思った。何もすぐ消してやることなかったじゃんかよなあ。一日くらいあのまんま置いといてもよかったし、あるいは、

   *

−追記−

や、☆9。どうもすみませんね、せがみでもしたみたいで。決してそんなつもりじゃなかったんですが。

   *

とでも書いて送ってそれがずっと残るようにしてやればよかった。あいつは絶対、おれのことはもうブロックしてるだろうな。

まあいい。次はうまくやるさ。

しかし失敗と言えばこのときもうひとつ失敗をした。なんとこのコメントが、〈島田信之〉というおれの本名で出てしまったのだ。見て『あれれ?』と思ったのだが、どうやら〈ユーザーID〉というのを実名にして、小説の投稿用の名前だけ〈島田イスケ〉なんてなものにしておくとそうなってしまうらしい。詳しく説明しようとしてもややこしい(つーか、なんとか正したもののおれ自身よくわかっていない)のだが、とにかく〈ステルス兄貴〉への星付けとコメントが共に〈島田信之〉の名になってしまい、〈島田イスケ〉と変えるまでに時間がかかった。

おれは〈ステルス兄貴〉君に本当の名を知られたし、他にもあれを見た者は結構いるに違いない。何しろあいつ、おれの10倍に読まれてるくせに☆10なんか付けてる奴はロクにいやしないんだからな。

思えば敵があれを見るなりすぐさま評価を上げたのは、自分の作に☆10がひとつ付いて『おっ』と思ったその数分後にコメントが来て、〈島田信之〉が誰か気づいたわけなんだろう。〈島田〉という苗字を見た時点できっと悪い予感がしていたんだろうな。

でなきゃあの早業の説明がつかない。ほんとにただの一分どころか、30秒と経たないうちに星を上げやがったもんなあ。

かえすがえすもコメントをすぐ消したのは惜しかった。運のいいやつだよ、まったく。もっとも、ここにこの通りシッカリ書いてやるんだけどさ。

それに、おれは次は必ず、もう少しうまくやってやる。君がおれの小説を盗んでネットに出したらいずれ、〈ステルス兄貴〉君よりもっと恐ろしいコメントを見ることになると知るがいい。あそこで本名が出ちまったのはおれにとっては大した失敗ではないのだが、君はよく気をつけたまえ。気をつけても本名が出てしまうときは出てしまうと思うけれども気をつけたまえ。

君は最悪の場合でも、君の素性が暴かれ世に晒されることはないと思っているんだろ。盗用を企むやつはそう思う。その考えがその通りうまくいった例なんかほとんどないのじゃないのんかと言っても君には通じない。

君には何を言っても無駄だ。今月になってこの日誌はとうとうこのサイトのトップに立ったけれども、これをなんとか引きずり降ろせばおれが諦めて〈ヤマト〉の旅の外宇宙航海編を最後まで三日で書いてそこで死ぬ、君だけがそれを盗めると言う考えを決して変えない。

島田、お前ならできる。やって死ね。そして物凄い小説をラクラク書ける才能をオレに寄越せと君らが期待してくれるのはうれしいけれど、おれは別にバケモンじゃないのよ。大体が変な期待なんだから、期待されても困るんだよ。おれが死んでもおれの力は君に乗り移ったりしないよ。どれだけ言ってもこの考えを君らが受け入れないのはよく知ってるけどさ。

そんなふうに君らがグズグズしてる間に、〈KENCHI〉だか誰だかが『最悪でも実名さえバレなければ大丈夫』という考えでおれの『ザ・コクピット――』を盗んでバレてくれるんじゃねえの? そうなってくれたらおれにはいい宣伝になるから『コート・イン・ジ・アクト』も売れて、『敵中』の続きもバシバシ書けるようになるかもしれないけどさ。

でも今の状況じゃねえ。とてもとても身を削って小説を書く気になんかなれませんよ。おれは別にバケモンじゃないもの。min305さんや杉鋸さんにツッコミを受けてわーんと叫ぶ普通の人間なんだもの。

〈ヤマト〉の旅のすべてをおれが書き終えるのに何年かかるかおれにもわかりません。一年や二年じゃないのは確かです。もう既に五年かかってやっと太陽系を出たところなんだから、あと十四年八ヶ月くらいかかるんじゃねえの?

『クラップ・ゲーム・フェノミナン』を書いたときに10キロ痩せてそれきりで、『ヤマト』なんかラクなもんだろと思って始めてそれから初めて途轍もなくまた身を削るものになると気づいた。ましてやイスカンダルへの旅は、〈エウスカレリア〉への旅だって? 宇宙スペインの宇宙バスク地方への旅であり、サーシャは宇宙イエズス会の〈ミッション〉の殉教者である、と。そんなもん、思いつくのはいいけど本当に書いていけるんだろうか。このゲッソリやつれた体で……。

ああ、君達の、
「嘘だーっ! 今ならまだ間に合う! 三日で書け! そして死ね! 四日後では遅いんだーっ!!」
という絶叫が聞こえる。なんだよ、『今ならまだ間に合う』って。君らの都合を押し付けんなよ。

おれは君らのためになんか書かないって。大体、君には眠っている才能があって、盗みによってそれが目覚めて『ヤマト』の外宇宙航海編もオリジナルの小説も凄いやつがラクラク書けるようになり、そのときに最初の盗みは正当な行為と誰もが認めるようになると信じてるんなら、冥王星で勝つまでをおれが出した今が決行のときじゃないのか。なんでイスカンダルまでおれが全部書くのを待とうとするわけ?

『最悪でも名前さえバレなければ逃げられる』という考えでもあるんだろ? うん、その通り。だからグズグズすることないだろ。四日後ではもう遅いかもしれないじゃないか。今すぐやれよ。〈KENCHI〉に先にやられん前にさ。
作品名:ヤマト航海日誌 作家名:島田信之