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父と娘、時々息子

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 だが、時代は移り変わり、病院で最期を迎えると不審死扱いではなく、自宅で最期を迎えると形式的でも警察のご厄介になるのが今の常識である。
 火葬する際も、葬儀社が大半の権利を持っているため、自治体葬でも火葬に時間がかかる場合もあるらしい。
 父の望みを叶えるために当時から色々調べてみたのだが、散骨はお祈りをささげられる存在を残すための分骨をしたうえで初めて散骨ができるように規約がなされている。
 どの散骨を請け負うところを見ても、この規約がやけに目立った。
 そのほかには病院から真っ直ぐ火葬場へ向かうこともできない。
 なぜなら、一日にお焼きする数も決まっているうえに、葬儀社の権利持ちの問題、あとは火葬待ちの問題・・・。
 全部見ると、父の望みは半分ほどしか叶えられないことがわかり、その話をしにわざわざまた旅行の企画を立ち上げる。
 もちろん、それだけが目的ではないが、旅行に行くと家では話せないことでもいいバランスで話すことができた。
 深く話す時はより深く、これは少し重いから少し軽くしてみようと思うと軽く、調子をお互い合わせることもできたし、合わせられたのだ。

作品名:父と娘、時々息子 作家名:SAYA.