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つだみつぐ
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無農薬ということ

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8.提携の十ヶ条




 1981年、Sさんの無農薬やさいに私自身のわずかなやさいを足して佐世保の消費者の間を回り始めた頃、私は「やさいの会」(まだその名前はなかったけれど)のビジョンを考えていましたが、それを何とよぶべきなのかは知りませんでした。が、その頃出会った日本有機農業研究会の「生産者と消費者の提携について」という十ヶ条は私の心を揺り動かし、それ以降私は「提携」という言葉とこの十ヶ条の精神を広めるよう努力してきました。
 少し長いのですが全文引用したいと思います。

 一.生産者と消費者の提携の本質は、物の売り買い関係ではなく、人と人との友好的付き合い関係である。すなわち両者は対等の立場で、互いに相手を理解し、相助け合う関係である。それは生産者、消費者としての生活の見直しに基づかねばならない。
 二.生産者は消費者と相談し、その土地で可能な限りは消費者の希望するものを希望するだけ生産する計画を立てる。
 三.消費者はその希望に基づいて生産された物は、その全量を引き取り、食生活をできるだけ全面的にこれに依存させる。
 四.価格の取り決めについては、生産者は生産物の全量が引き取られること、選別や荷造り、包装の労力と経費が節約される等のことを、消費者は新鮮にして安全であり美味な物が得られる等のことを十分考慮しなければならない。
 五.生産者と消費者とが提携を持続発展させるには相互の理解を深め、友情を厚くすることが肝要であり、そのためには双方のメンバーの各自が相接触する機会を多くしなければならない。
 六.運搬については原則として第三者に依頼することなく、生産者グループまたは消費者グループの手によって消費者グループの拠点まで運ぶことが望ましい。
 七.生産者、消費者ともそのグループ内においては、多数の物が少数のリーダーに依存しすぎることを戒め、できるだけ全員が責任を分担して民主的に運営するようにつとめなければならない。ただしメンバー個々の家庭事情をよく汲みとり、相互扶助的な配慮をすることが肝要である。
 八. 生産者および消費者の各グループは、グループ内の学習活動を重視し、  単に安全な食料を提供、獲得するだけのものにおわらしめないことが肝  要である。
 九.グループの人数が多かったり、地域が広くては以上の各項の実行が困難なので、グループ作りには、地域の広さとメンバー数を適正にとどめて、グループ数を増やし互いに連携するのが望ましい。
 十. 生産者および消費者ともに、多くの場合、以上のような理想的な条件で発足することは困難であるので、現状は不充分な状態であっても見込みある相手を選び発足後逐次相ともに前進向上するよう努力し続けることが肝要である。

作品名:無農薬ということ 作家名:つだみつぐ