黒騎士
<Episode1 はじまり>
「貴方は竜王の息子なんです!!」
「………は?」
話はこんな会話から始まった。
午前0時を過ぎた頃のことだった、俺は何杯目かのウイスキーを飲み終えようとしていた時に突然、目の前に知らない小僧が現れたかと思うと、訳の分からない話をし出してかれこれ1時間近く経つ。
「なんだ、お前俺をナンパしてんのか?」
「貴方を誘うようなことは一言も申した覚えはありませんが?」
「じゃあ何なんだよ、さっきから意味わからん話しやがって。言っとくが俺はお前みたいなガキに興味はねェ」
「俺だってあんたみたいな奴はお断りです。とにかく!!一緒に来てください!!もう時間がないんです!!」
そう言って俺の腕を掴んでどこかへ連れて行こうとしたので、俺は小僧の胸倉を掴んでいい加減にしろと警告した。
「そんなに遊んで欲しけりゃ他を当たれ、俺は暇じゃねーんだよ」
「貴方の目は何色ですか?ナイルさん」
「………!?」
突然問われた言葉に、俺は驚くと同時に戸惑った。
俺しか知らない俺だけの違和感をこの小僧は知っている、そう思った。
「お前…なんでそのことを…?」
「貴方と同じ色の目を持つ人を知っているからです」
いよいよ目の前の小僧が何者なのか分からなくなった俺は、何もなかったことにしようと掴んでいた手を離して足早に店を出た。
「ナイルさん!!」
後ろから小僧の声がしたが、振り返らなかった。
「明日の午前0時に西の広場に来てください」
「俺は行かねーって言ってんだろ!!」
「来なければ、俺は貴方を殺します」
「っ…!?」
小僧は俺を睨むと暗闇の中に姿を消した。
明日、自分が殺されるかもしれないと思うことしかできず、その場にただ立ち尽くしていた。
「貴方は竜王の息子なんです!!」
「………は?」
話はこんな会話から始まった。
午前0時を過ぎた頃のことだった、俺は何杯目かのウイスキーを飲み終えようとしていた時に突然、目の前に知らない小僧が現れたかと思うと、訳の分からない話をし出してかれこれ1時間近く経つ。
「なんだ、お前俺をナンパしてんのか?」
「貴方を誘うようなことは一言も申した覚えはありませんが?」
「じゃあ何なんだよ、さっきから意味わからん話しやがって。言っとくが俺はお前みたいなガキに興味はねェ」
「俺だってあんたみたいな奴はお断りです。とにかく!!一緒に来てください!!もう時間がないんです!!」
そう言って俺の腕を掴んでどこかへ連れて行こうとしたので、俺は小僧の胸倉を掴んでいい加減にしろと警告した。
「そんなに遊んで欲しけりゃ他を当たれ、俺は暇じゃねーんだよ」
「貴方の目は何色ですか?ナイルさん」
「………!?」
突然問われた言葉に、俺は驚くと同時に戸惑った。
俺しか知らない俺だけの違和感をこの小僧は知っている、そう思った。
「お前…なんでそのことを…?」
「貴方と同じ色の目を持つ人を知っているからです」
いよいよ目の前の小僧が何者なのか分からなくなった俺は、何もなかったことにしようと掴んでいた手を離して足早に店を出た。
「ナイルさん!!」
後ろから小僧の声がしたが、振り返らなかった。
「明日の午前0時に西の広場に来てください」
「俺は行かねーって言ってんだろ!!」
「来なければ、俺は貴方を殺します」
「っ…!?」
小僧は俺を睨むと暗闇の中に姿を消した。
明日、自分が殺されるかもしれないと思うことしかできず、その場にただ立ち尽くしていた。