小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

アナザーワールドへようこそっ!  第二章  【044】

INDEX|2ページ/2ページ|

前のページ
 

 シーナの言っていることは確かに正しいとは思う。だが……何か……面白くない。そんな思いが頭をグルグル駆け巡っているため、シーナのウソに対してのイライラは収まっていなかった。

「なんだ? やっぱり嫌なのか?」
「まあ、嫌かどうかと聞かれたら、そりゃ、嫌だ…………でも、お前の言っていることも……理解はできる。だから……だからこそ、余計にイライラする」
「…………そうか、すまない。ただ、隼人には悪いが、今は、そんなことを言っている場合では無いんだ。現状、我々は『予定調和(シナリオ)』から逸脱している状態と思われる。それは、つまり…………『緊急事態(エマージェンシー)』を意味する」
「緊急事態(エマージェンシー)……」
「ああ。さっき、寮にいたとき、何度か『メモ帳』から『神様』に連絡を取ろうとしているのだが、向こうからいっこうに返事が無い…………それも、含めて『緊急事態(エマージェンシー)』ということでもある」
「そ、それじゃあ、その……『予定調和(シナリオ)』から逸脱…………外れた俺たちは、これからどうなるんだ?」
「とりあえず『神様』と連絡を取って、それから指示を仰ぐ必要がある。ただし…………最悪の場合……つまり、『神様』と連絡が取れなかった場合は…………わからない」
「わ、わからない……って?! そんな無責任な…………」
「すまん。ただ……『神様と連絡が取れない』なんてことは、これまで一度たりともないから大丈夫だとは思う。もしかしたら、単に『神様』のほうで『何かしらの事情』があっただけ……というオチになる可能性もあるがな」
「そ、そうであることを…………願うよ」
「ふー、まったくだ。とりあえず、連絡がついたらすぐに指示を仰いで、隼人に報告する。それまでは、あまり派手な行動は控えてくれ」
「わかった……」


 このときの二人には、まだ、『神様に起きている異変』に気づけるわけもなかった。