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夏経院萌華
夏経院萌華
novelistID. 50868
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「もう少し回復したらリハビリをやっていきましょう。左手だけで生活できるようにこちらもリハビリのメニュー考えておきますから」と笑顔で言う。
「左手だけですか」僕は怪訝な声を出す。どうして左だけなのだ。
医者の表情がみるみる戸惑いの表情を見せる。
「まだいってなかったのか」とナースに小声で言う。
「すみません。言いだせなくて」とこちらも小声。
すべてがまる聞こえでそれが気になり、
「どういうことですか」
医者は僕の目を見て何を言おうか目を左右に動かしていた。
「荏原さん。マンションから落ちた時あなたの手はすでになかったのです。だからどうしようもなくて・・・」と医者が僕の右腕を持ち上げそこにあるはずの手がない腕を僕に見せた。了
作品名: 作家名:夏経院萌華