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海野ごはん
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novelistID. 29750
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別れて やっと見える愛

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「別れて やっと見える愛」




恋愛というのは、永遠にずっと一緒にいるってことを保証されないあやふやなものだ。
でも、それだから一生懸命相手を見据える。

長年付き合っていても、ちょっとしたほころびが大きなヒビになり、何かの拍子でもろくも崩れる。
愛しているという土台は案外、頼りないものだ。

そして男と女は別れを決めた途端、自分達の愛の歴史を振り返る。

うれしい愛から始まり、哀しい愛で終わる。

そして恋愛が終わった後には、色褪せた写真だけが残されていきます。








とんとん とんとん 左胸をこぶしで叩く

彼女を思い出したら 胸の奥が痛くなる

捨てきれない愛が ちくちく刺さった棘のように痛む

強制終了

僕はその時 左胸を叩く

とんとん とんとん

「もう君を思い出したくないから 出てってください」

とんとん とんとん 今度は彼女が内側からノックする

ふたりで繰り返し

心の中はまだ別れきれずに いたちごっこ