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それは微弱な電気で動く

「今回、このコインを使って意識の違い、及び反射行動を実験したところとても興味深い結果が得られたので報告します。
　まだ確定とするには不十分な実験回数ですが、結果としては信ずるに足りると思います。

まず、実験内容ですが、至ってシンプルで手に隠れるくらいの大きさの同じものが２つあれば誰でも出来ます。
1回目はその2枚を一枚ずつ片手に握り、2回目はどちらの手にも握らず、
あとは「握った両手の中のどちらにコインが入っていると思いますか？」と尋ねることを5回、計10回繰り返すだけです。
しかし今回は違いを顕著にするため、挑戦する回数×100に値する金額を代金として払わせ、当てた回数×1000に値する金額を賞金として与えるという条件を付けています。

1回目の両方にコインを握っていた場合、誰がどう答えようと当たるわけですが、その当てた場合の反射行動をおおまかにまとめると、
大半が「自分もしくは今日はツイている」と考え、反射行動として個体差はありますが口角が上がったり、目が笑います。
後は当てる度に歓声を上げたり、笑い声をあげる個体もあり、中には「自分には幸運の女神が味方している」「自分には特別な力がある」などという極端な思考に走る
個体もありましたがそれはごく少数に留まっているので今のところは危険視するまでもないでしょう。

2回目のどちらにもコインを握らなかった場合、1回目と違い絶対に外れるわけですが、この場合は1回目と大きく違った部分があります。
大半が3回目辺りを境に両手には何も握られていないのではないか、と疑い始め、5回を終えるまでには口角は下がり、口数も減ります。
中には怒ってしまい途中でいなくなる個体もありましたので、正確に偏りがないとは言えませんが、大体の傾向は掴めたのではないかと思っています。

後記として、今回実験した個体は自分に得がある場合は自分の力が出した結果だと考え、得がない場合は他人の妨害だと取る傾向があることが判明しました。
これは偶然分かったことなのですが、この個体は自分の予想外の事実をもたらす結果や存在を悪意と捉える傾向が強いです。
なのでこれは推測ですが、負の力で抑圧するよりも僅かでも何らかの得を与える方が簡単に繰ることができるはずです。
この結果をもっと確実とするため、そして手中に収めるためには様々な実験を試す必要があることをここに報告します。
我が星、我が神に栄光あれ」

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異星生物精神研究部代表
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