貯蔵庫 《2018.7.27更新》
コーヒーをもう一杯
※これは2009年に書いた日記です。
■樹木希林さん 死覚悟して夫と向き合う■
そんな記事が目に入ってきて興味深く読み進めていく。
■ □ ■
乳がんの手術を平成17年に受けた女優の樹木希林さん(66)。
「納得のいく死」を意識したとき
脳裏に浮かんだのはロック歌手の内田裕也さんのこと。
長年、別居していた夫と向き合おう。
そう決意して対面したと語る樹木さん。
■ □ ■
病気をしたり、気持ちが弱くなったりすると
いがみ合う体力もなくなっちゃうのかな。
それとも戦場でしかなかった自分の居場所が
老いを感じて、心が少し穏やかになって
負傷してる戦友を介抱してるような
お互いの気持ちが自然と求め合う
そんなオアシスに変わりつつあるからかな。
樹木希林さんと内田裕也さんは病気をしてからというものは
毎年ふたりで旅行に出かけたりお互いを介護しあったりして
長年離れて暮らしていた時間を埋めてる。
「老いてから別れるのはもったいないわよ。」
毎年ふたりでハワイに出かけて真珠湾で必ず手を合わせるんだと。
そんなに先が長いとは思えない。その覚悟はあるんだって。
「死に向けて行う作業は‘おわび’ですね。
謝るのはお金がかからないから、ケチな私にピッタリなのよ。」
そう語る樹木希林さん。
あたしはどんな作業をするだろう。
確かに詫びなければならないこともてんこ盛りだけど^^;
でもあたしならきっと‘感謝’する。
ただひたすらありがとうという気持ちで毎日を過ごす。
幸いお互いに大きな病気もせずに毎日元気に働いてることも
日々の生活になんの心配もしなくていいこと
息子たちが元気で健康でなんの不自由もなく暮らせることも
すべてあなたのおかげですと
そうやってコーヒーを差し出すしあわせがあるということ。
「夫婦としての戦いは終わったんです。
この人は来年はいないかもしれないと思ったら
その人との時間は大事でしょう^^ 」
そんな夫婦としての歴史を重ねたいと思う。
「コーヒーもう一杯」
新聞を広げながら仏頂面で夫がいう。
ろ紙をお湯で濡らして荒く挽いたコーヒーの粉を入れる。
少し蒸らして膨らませてからゆっくりお湯を回しいれながら
ゆらゆらと立ち上る香りを大きく吸い込んで
これがあたしのしあわせなんだな…とか思ったりする。
戦いは終わったわけではないけどね(笑)
作品名:貯蔵庫 《2018.7.27更新》 作家名:遊花