小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

透明な音符【詩集5】

INDEX|21ページ/50ページ|

次のページ前のページ
 

だってきみがいないのに



願いなんて叶うはずない
がっかりするのは嫌だから
傷つくのはもう嫌だから
そう言ってあの日
扉を閉じた
夕暮れのオレンジの光に背を向けて
ドアの隙間から差し込む光は
だんだん細くなってやがて消えた

泉は枯れて
よどんだ水たまりの底には
絶望という名の泥が降り積もっていく

曇ってしまった心の鏡は
今は何も映さない

泣いて
笑って
手をつないで踊った

叫んで
怒りに震え
戦って
ついにすべての望みを捨てた

希望なんて嘘だろ
だってきみがいないのに

作品名:透明な音符【詩集5】 作家名:maki