透明な音符【詩集5】
神の箱庭
口にするのは愛の言葉だけ。いつもあなたを愛していたい。
あなたはわたし。そしてわたしはあなただ。
だけどあなたはあなただし、わたしはわたしだ。
どうして人は違うのだろう。どうして?
どうして人には多様性が必要なのだろう。どうして?
どうして人は疑問を持つのだろう。どうして?
何も考えずに与えられたものの中で生きればいいのに。
でもその時人は人でなくシステムの一部になってしまうだろう。
だから人は考え、生きる。
だから人は愛おしい生きものなのだ。
神の箱庭の中で一番。
一等賢くて一等馬鹿ないきものだ。
作品名:透明な音符【詩集5】 作家名:maki