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「装備自由@here」

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#1「装備自由@here」

right>HC下位クック装備自由ココ!3
光は、モニターを観ながらパックのロイヤルミルクティにさしたストローを口に運んだ。
午前3時ー10分待ったが誰もクエストに入って来ない…。この時間は放置が多いから仕方ないかと思った。
パートナーもフォスタもいるし一人でいいかと思っていると、音が鳴り、参加者がきた。

葉蔵>よろしくお願いします
right>よろしく~♪
right>あんまり人いなそうなので2でもいいですか?
葉蔵>どぞ
right>いきまーす

潮島にてクエストが始まった。夕陽の美しいフィールドに、rightと葉蔵は立っていた。
rightは、SRを取ったばかりである。装備は、親の財布から盗んだ金で買ったセレナ装備である。葉蔵は、双剣秘伝朱雀1玄武4扇射装備である。

案の定、rightは葉蔵の寄生状態である。

right>すいません…弱くて…
葉蔵>いえいえ
right>秘伝いいですねぇw
葉蔵>まだレベル低いのでセレナのが良いと思いますよw

しばらく連戦した。
right>おおー!レアでたーwww
葉蔵>おめでとうwww

ふと、時計を見ると6時を過ぎていた。
right>寝なくていいんですか?w
葉蔵>ですねぇw
right>寝ますかぁw
葉蔵>寝ましょう!ww
right>もしよかったらフレなってもらってもいいですか?w
葉蔵>どぞどぞ~w
right>ありがとうございます
葉蔵>また、明日遊びましょう!w
right>ありがとうございます
right>ぜひ、色々教えてくださいですw
葉蔵>ハーイ!では、おやすみぃwright>おやすみなさい

アクション「手を振る」でパソコンの電源を落とした。

光は、音をたてないようにドアを開けた。足元にあるのはラップのかかった冷めたカレーライスとポテトチップスである。
階段上から一階を覗くと、静まりかえった洞窟の深層部のようなどんよりした空気が漂っているように思えた。階段を降りて右が台所、左が玄関、その他の間取り…忘れた。お母さんお父さん…ママ、パパ…だっけか、なんて呼んでたかも忘れた。何時からか、日付も時間も、お腹が空いてるとかも、あんまり気にならなくなってきた。自分は、光って名前だけど、それを知ってるのって何人いるんだろう…。
台所出前から両親の寝室へ続く廊下、先祖の写真のある居間には炬燵と、その上にはミカンがある。時間が停まっているような空間、まるで自分しかいないかのような世界、何故か自分の住む家なのに息をこらしている。何かに怯えて、誰にも気づかれないように忍び足で家を徘徊している。
ミカンとコーヒー牛乳を持って二階の自分の部屋に戻った。

カーテンを開けて朝日を部屋に招き入れた。窓を開けて冷たい空気を入れた。窓からはビニールハウスの畑と雑木林が見える。軽トラックと納屋、何年も同じ景色…。

PCに電源を入れた。MHFにインした。
ブリッツFXをLV7にするのに必要だった素材を間違えていた事に気づいて一人で「落ち込んだ」武器工房のおじさんの態度の大きさがムカついた…。
「神々しいクチバシ…かみがみしい?かな、なんて読むんだろう」

個チャがきた。

葉蔵>こんちは~w
葉蔵>おはよう…かな?w
right>wwwおはようですね♪
葉蔵>今日もご一緒しますか?w
right>え!いいんですか?
葉蔵>暇してるのでオッケです♪w
葉蔵>今、なんか作ってますか?
right>ブリッツを作ってるのですが…昨日、手伝ってもらってたクエが間違ってました…
葉蔵>www
right>神々しいクチバシって…
葉蔵>変種クックですね♪いきましょうw
葉蔵>一撃がヤバイので逃げ回っててオッケですよw
right>いやいや、今日は頑張ります!www

キケン大好きをホルクに着けて、いざ密林へ…。
クックは、狂ったように暴れまくってrightは乙を繰り返した。

葉蔵>ドンマイ!
right>ごめんなさい

一時間位連戦したがレア素材は出ない…。

right>で、出ません…
葉蔵>ドンマイ!あwそうだ。俺のラスタいります?
right>いいんですか!?ぼくあんまりフレいないのでありがたいです!
葉蔵>今までソロってたんですか?
right>は、はい…
葉蔵>秘伝とったり、G級行ったりだとソロがキツくなるのでフレは、大事ですよwww
right>なるほど
葉蔵>でも、俺がフレになったから大丈夫!なんでも付き合いますからね~www
right>う、うれしい…ホント、う、うれしい
葉蔵>www

光は、モニターを観ながら良い人だなぁと感動した。
その後、ラスタ酒場でラスタ契約をして、またクックのレア素材を求めてクエに出発した。
光は、女性だがMHF内では、あえてネカマを装っている。プレイヤーが女性だと卑猥な事を言う輩などセクハラしてくる輩が多いから、なるべく女性だとバレないようにゲームをしているのである。

葉蔵のラスタは、激励赤魂を着けた虚無であった。

right>ぼくよりラスタのが強い…www
葉蔵>www
right>葉蔵さんは、行きたいクエは無いですか?ぼくで良ければ手伝いますよw
葉蔵>特に無いですが、とりまrightさんのレア出しちゃいましょう!www
right>ありがとうございます!

何度も何度も同じクエストに行っているのに、葉蔵と遊んでいると飽きないでいられた。ずっと自分の行きたいクエに付き合わして申し訳なく思っているのだが、葉蔵のランクが高すぎて葉蔵の手伝いが出来ないのが歯痒い…。

葉蔵>自分そろそろ飯行って来ますね~w
right>ハーイ!いてらw

一人になった…。メぜポルテ広場は忙しなくハンター達が動き回っている。全チャ募集も目まぐるしく募集欄が消えては増えてを繰り返す。
武器工房に入り、武器や防具の強化出来そうなのを調べていると、神々しいクチバシを持っている事に気づいた。
「アレ、何で持ってるんだろ…パートナーが持ってきたのかな」
光はブリッツを強化して、武器工房前で放置してPCから離れた。ベッドに寝転がって天井を見つめた。
「何時から寝てないんだろう…」

外から車のエンジンがかかる音がした。母親の軽自動車が出掛けていくのが見えた。祖父母は畑仕事だろう、父親は朝早くに出勤してるはずだ。一階には、誰もいないはずだ。光は、着替えを持って一階に降りた。所々から射し込む太陽の明かりが必要以上に眩しく感じる。足早に風呂場に行き、裸になってシャワーを浴びた。

光は、なるべく家族達と関わらないように暮らしている。昼と夜に部屋の前に食事が置かれるようになってからは、ほぼ家族と顔を会わさなくなった。それまでは嫌々ながら家族とご飯を囲んでいたが今は顔を見ることもないし、会話も無い、部屋から出なくなってからしばらくは両親はしつこくああだこうだと言ってきたが、今は両親も無関心になりつつある。用事がある時や欲しいものがある時は光から母親にメールをする。母親からのメールは基本的に無視している。