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最後の孤島 第2話 『世界一の国から』

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【ジョー】(2)



 島に着いてすぐ、この島が普通の南国ではないことを知った……。同時に私は、自分の目を疑わずにはいられなかった……。

 さまざまな種類の飛行機が、ジャングルに何十機も突っ込み、同じくさまざまな種類の船が、陸に何十隻も打ち上げられているという異様な光景を見れば、自分の目を疑うのは当然だろう……。しかし、私の目は正常だ……。
 ジャングルの中にすっぽりと突っ込んでいる飛行機を見た私は、あの911を思い出してしまい、吐き気を感じずにはいられない……。
 吐き気と同時に、ここに長居してはならないと感じた……。


 私は、船を早く海へ戻すために、船から砂浜に降り立つ。砂浜はサンゴ礁だらけだ。両手と両足に力をこめ、船を必死に押す。
 だが、重いクルーザーはなかなか動かない……。わたしは運動不足を痛感した。おまけに、砂浜に降り注ぐ直射日光は猛烈で、わたしはすぐにバテてしまった。先ほどの嵐がウソのようだ。

 わたしは一休みするために、船の日影に座る。仕事のことを考えれば休んでいる暇など無いのだが、ここで体を壊しては元も子もない。ほんの少しの間だけだ。

「誰かいますか!?」

 体を休めている間に、次の有望な投資先がどこなのかを考えようと思ったとき、船の向こう側から大声がした。
 イントネーションに違和感があるその声を聞いた途端、ここが無人島ではなかったことに安堵する。すぐに連絡をして、ここへ迎えにきてもらえばいい。もうすぐ仕事に戻れる。

「ここにいるよ!」
わたしが返事をして立ち上がると、アジア人らしい少女がやってきた。その少女は場違いなセーラー服を着ており、わたしが驚いてしまったことは言うまでも無いことだろう……。
 そのセーラー服少女に続き、白人の少年もやってきた。
「あんた、大丈夫かい?」
少年はイギリスなまりの英語を喋る。この島が、今や数少ないイギリス領でなければ、観光客のイギリス人だろうな。
「大丈夫。休んでいただけだよ」
笑顔で返事する。わたしは、世界一の国アメリカの人間だ。なめられてはいけない。
「それより、この島の名前は何だい?」
「セルカーク島ですよ」
少年はそう答えたが、聞いたことが無い名前の島だった。
「どういう島?」
「……そうですね」
少年は説明しづらそうにしている。バカなのだろうか?
「長老さんに説明してもらうのは?」
少女が少年に助け舟を出した。どうやら、日本人女が男を支えるという話は、本当のことだったようだ。
「うん、それがいいな!」
女に助け舟を出してもらった少年は、呑気にも笑顔を見せる……。