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最後の孤島 第2話 『世界一の国から』

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【ジョー】(4)



 ……どうやら、あの島から出ることが不可能だということは、本当のことだったようだ。世界一の我々アメリカ人でもだ……。

 そう思うしかない私は今、海の中にいる……。必死に泳ぐが、もはや手遅れだ……。私の体はどんどん深く沈む……。空気と生気が体から抜けていくのを感じる……。
 あの見えない壁は、いきなり現れた……。


 そのとき、照り付ける太陽の下、船を全速力で航行させていた。一刻も早く、無駄にした時間分をビジネスで稼がなくてはという気持ちでいっぱいだ。私の気持ちを代弁するかのごとく、順調に海を走り抜ける船。
 ……しかし、何の前触れも無く、船が何かに跳ね返された……。風船に跳ね返されるような優しいものではなく、文字通り木端微塵にだ……。
 私は、船の破片とともに、海に投げ出される。溺れないように掴める物は近くに無く、私の体は海中へ沈んでいく……。

 薄れゆく意識の中、私が手掛けていたビジネスはどうなるのだろうかと思った……。今さらそんな心配は馬鹿らしいと気づいたころにはもう……。