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アナザーワールドへようこそっ!  第二章  【039】

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 という意味だけで使っていた言葉だと思っていたのに…………そうじゃなくて『この星の名前』だったとは…………これも神の仕業だとしたら、この星の名前にも意味があるってことなのか?

 とにかく、シーナの表情を見る限りでは『シーナ自身』も知らなかったように見える。あの神様からもらったっていう『メモ帳』には書いていなかった……ということか。『この世界(アナザーワールド)の取扱説明書(トリセツ)』と言ってたわりには、こんな『初歩的』なことは書いていなかったようだな。

それにしても、『暦』といい、『季節』といい、『公転』といい…………まるで『地球』とほとんど一緒じゃねーか。

 こんな…………俺が『前世』にいた『地球』とここの環境があまりにも似すぎているのは…………何故だ?

 こんなことできるのは、おそらく『神様』だけだろう。

 では、ここまで『地球』と似た『環境』、『言語』を用意した『神の仕業』の意味は?

 神様は…………『俺が前世で死んだ原因を思い出すため』だけにこの世界を作ったっていうのか?

 神様が、こんな『大袈裟』に『アナザーワールド』という惑星自体を作り出す必要があった俺って、


『前世で何者で、何をやったんだよ?!』


 そう考えると、本来の目的である『管理者(アドミニストレーター)探し』を『何よりも優先しなければ』……と思ってしまう。

 すると、また、


 ぎゅうううううーーーー。


「い、痛ててっっ…………シ、シーナ?!」

 シーナは、また耳元で小声で言う。

(お前の考えていることはだいたい察しがつくが、今はそれについて深く考えるな。今は目の前のことだけに集中してろ……いいなっ?!)
(わ……わかった)
(今夜、そのことも含めて一緒に説明してやる。それに、わたしも……少し……様子がおかしいと思っているのだ)
(……えっ? シ、シーナが? で、でも、お前は『神様側の存在』だろ? それなら、すべて把握しているものじゃないのか?)
(本来はそのはずなのだが…………少し違っている……みたいなんだ)
(そ、そんな…………それって………?)
(と、とにかく、今は気にするな……わ・か・っ・た・な・?)

 さらに、追い討ちの,


 ぎゅうううううーーーー。


「わ、わひゃりまひ……た……、わひゃりまひた、から…………い、痛ひゃい、痛ひゃいよ、シーナ。は、離ひて…………」

 そうして、ようやくシーナの『頬つね』から開放された俺。

 そして、それを見ていたアイリから、

「ハ、ハヤトお兄ちゃんは大変だね~。あと、シーナもお兄ちゃんには特別厳しいし…………シーナ、あんまり『お兄ちゃんイジメ』はやめなさいよ?」
「アイリ……違う、これはイジメじゃなくて…………『愛』よ、『愛』。だから、いいのっ!」

 うわー、どこかの国の『体罰教師』が言いそうなセリフだな。

「そうだよ……ねっ? お兄ちゃん?」

 と、俺のほうを見て、そう問いかける妹は『鬼のような形相』でした。その表情からは、

「話合わせろや、おおっ?!」

 みたいな『広島弁』のような感じで、そう言わんとしていることがすごく伝わりました。なので、


「はは……そ、そうなのかな?」


 これが精一杯でした。

「ハヤト…………なんて不憫な兄」

 アイリの『残念そうな顔』が印象的でした。


「ところで、アイリ……今、何時?」

 すると、また、唐突にシーナがアイリに『さりげなく』、『時間』を聞いた。

「えーっと…………『11時10分』くらいね。確か……『13時』から昼食って寮のスタッフが言ってたから、それまでには寮に戻らないと…………『昼飯抜き』になっちゃうっ!? 少し、急ご、急ごっ!」

 と、アイリは左手にはめていた時計らしきものを見て、そう言うと、今度はアイリがシーナと先頭を入れ変わって歩き出した。

 自然に、さりげなく、シーナが言った今のセリフ……。

 そして、アイリの返答……。

 やっぱり、この世界(アナザーワールド)には『地球』と同じように…………『時間』が存在した。

 しかも、今のアイリのセリフの『時間』を聞く限り、地球と同じ『一日24時間制』と思われる。

 となると、この星……『惑星アナザーワールド』は『自転』をしていて、『一周』するのに『24時間』かかり、それが『一日』となり、また『太陽』の周りを周回している『公転』も、『メガネツン女史』が言っていた『年次スケジュール』と照らし合わせれば、『公転周期は365日』……それで『一年』ということ。

 おそらく、ほぼ『地球』と同じ『環境』と言える。

 まだ、憶測の部分もあるが、まず、間違いないだろう。

『自転、公転の周期』も一緒。

『自転』や『公転』……『時計』や『季節』といった、『表記・名称』も『地球』とまったく一緒。

 ここまで来ると、逆にもう、開き直ってしまう。

 まあ、この件は、今夜、シーナに確認するということで、今はもう考えるのは…………やめよう。

 今は『喫緊の問題』……『生徒会との顔合わせ』だ。


『生徒会長』……『ヴィクトリア・クライフィールド』。


 まずは、そこからだ……。


 そうして俺たちは学校(アカデミー)に戻り、本館2Fへと入っていった。