今日も空は青い
プロローグ 1
今日僕は、辞令を貰った。
配置転換の辞令だ。
入社以来機械係に所属し、設備保全・改善をしていたが、
電気係へ配置転換された。8年目10月の出来事だった。
「おまえ機械やったんちゃううんけ。」
電気係3班班長赤木が、俺に言った。
「今日から、電気に変わっちゃいました。」
「まじで〜?、そ〜なん。全然聞いてないで。」
暫くすると田中係長がやってきた。
「え〜と、今日から電気係に配属になった、栗本君です。
皆、よく知っていると思うけど、機械にいてたけど、電気の武田が辞めたから、
定員不足の穴埋めでこちらへきて貰った。みんな、いろいろ教えたってや〜。」
「今日から電気へ配属になりました栗本です。よろしくお願いします。」
みんな顔見知りだが、一応、挨拶をした。
「西原〜、電気設備一通り、軽くでいいから案内したって。」
「軽くって、電気室とか、受電所関係ぐらいでいいかな?」
「そうやな。ライン設備は稼働中やし、メンテの時に随時教えたってや。」
「はい。それじゃあ栗本、一回り行こうか。」
そんな事で、ラインの電気設備をぐるりと巡回に廻った。
「まずは、RCMから行こうか。」
RCMとは、リバース・コールド・ミルの略で、冷間圧延をする設備で、
板を通す事で、板を薄くする事が出来る機械だ。
「電気室はここやで。」
丁度、圧延機が有る建物の真裏側の棟の2階に電気室が有った。
「ここ、入った事ある?」と、西原が私に聞く。
「いえ、ないです。電気設備をリ・プレースしてから全然入った事ないです。
っていうか、リ・プレース前も数える程しかないです。」
「そやろな〜。機械の人らはまず入る機会ないわな〜。」
「どう?電気室の印象は?」
「前が前だけに、すごくきれいですね。」
「まあな。それにまだ、新しくなって、2年しか経ってないからな。」
「まだ、細かく説明しても分からんやろから、場所とどんな感じかだけ覚えとき〜。」
「次行こか。次は、CGLいこか。」
CGLとは、亜鉛めっきラインで、RCMで薄くした鉄板をめっきするラインだ。
「ここは新設して、10年程経ってるけど、まだまだ綺麗やで。」
「CPUルームに入るのに、防塵装置通らなあかんから、トラブルの時とか、