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【ある悪魔祓い師と魔女の話をしよう】


　あるところに一人の悪魔祓い師と一人の魔女がいた。
　彼らが出会ったのは“唯一絶対の主”を崇める国アルヴィアのラオディキアという街。平和に生きる人達と苦しみの中で生きる人達がたくさんいる街だ。

　その街で、魔女は教会に捕まった。悪魔祓い師でもないのに悪魔憑きを癒していたからさ。
　悪魔祓い師は教会に逆らって逃げ出した魔女を庇った。彼女は人に害なす者じゃないと思っていたからさ。

　そうして二人は逃げ出した。神に背く魔女と教会に背いた悪魔祓い師は捕まったら処刑されてしまう。だから彼らは逃げるしかなかった。

　途中、色々なことがあった。悪魔祓い師の資格を捨てた神父。悪魔召喚によって滅びた街とその街を調べる悪魔研究家達。地獄から喚び出される悪魔。二人を追う教会の追手達。麻薬を売る港街の密売人。一人の悪魔研究家を仲間に加えたり、はぐれたり。そうして二人は魔術の栄える国・ミガー王国へとやって来た。

　ミガー王国でも、二人は魔物を倒し、悪魔を祓った。魔女は悪魔を滅ぼすため、悪魔祓い師はそれを手伝うため、ミガーを旅することにしたんだ。

　悪魔祓い師と魔女。神の力を使う者と神に由来しない力を使う者。苦しむ人を救うことを望む者と、悪魔を全て滅ぼすことを望む者。
　相反する力を持つ二人の旅は続く。