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シリアル

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彼女は、誓ったあの日を境に 朝食を『シリアル』に変えた。

始めた頃は、牛乳をかけたそればかりを食べていたが、夕食は 僕といっしょに同じものを食べていたので 心配をしなかった。
でも、僕は仕事がある。残業も強いられるし、ときには出張も必要だ。自分だけの都合を言ってはいられないし、僕を上司とする社員もいる。
そんな僕の体調管理を彼女の作る朝食は補ってくれていた。しかし、夕食は なかなか一緒にというわけにはいかないし、そんなに遅くに彼女の食事をさせるのはできないことだ。
僕が帰宅する頃には、彼女の食器は洗って かごに伏せてある。

「ちゃんと食べた?」
「大丈夫よ」
「最近、朝のシリアルも 牛乳もかけずに食べているし、フルーツやヨーグルトも食べなくなったでしょ」
「大丈夫よ。健康だし、昼間や夕食もきちんとしているわよ。それに 無理しないって約束も守っているもの」
「それならいいけど……」

それに この頃は猫のご飯も 彼女に任せることが多くなったが、彼女は「平気よ」と応えてくれるので、甘えてしてもらっていた。
帰宅後、僕に甘えてくる雌猫は、相変わらず可愛かったが、少々重さを感じた。
彼女の優しさが、過剰に餌を与えているのではないかと彼女に尋ねたが、素直に「気を付けるわね」と聞き入れてくれた。

作品名:シリアル 作家名:甜茶