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SAⅤIOR・AGENTⅡ

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エピソード12,裏切りの代償



 恵ちゃんを助けたエイリアン・ハンターはレンだった。
 だが何でこんな場所にいる? こいつはゼルベリオスの監獄にいるはずだ。
 オレが疑問に思っているとレンが言って来た。
「全く、無様な物だなシスコン」
「ああっ? 何だと?」
「あれだけ偉そうに言っておきながら結局この様か、呆れるのを通り越してただの馬鹿だなシスコン」
「テメェ、オレに喧嘩売ってんのかっ?」
「兄さん止めて!」
 オレがレンに食ってかかろうとしたその時、妹と書いてエンジェルと読むべき存在がやって来た。
 その隣には千鶴ちゃんがいた。
「舞! ……と千鶴ちゃん」
「あら、私はおまけ? 妹さんを助けたのに随分ね」
 千鶴ちゃんはため息を零した。
 別に気を悪くしちゃいないだろう、オレがシスコンだって事は分かってるからな。
 すると気を取り直した千鶴ちゃんが説明して来た。
「タクミ君、改めて紹介するわ、新しい仲間のレンよ」
「えええっ?」
 オレは驚いた。
 元オメガの工作員がセイヴァー・エージェント?
 とは言え珍しい話じゃ無かった。情状酌量の余地があり、その人間が有力な存在だと認められるとある特定の条件付きで取引が行われる。
 確かにこいつの超能力は強力だし、それはオレが良く知ってる…… むしろこいつの能力が平和の役に立てば心強い。
「そう言う事だ。よろしくな先輩」
「テ、テメェ……」
 オレは顔を顰めると右手に力を入れた。
 いけすかねぇのは相変わらずだ。
 だがそんな事を考えてる場合じゃない、ここは敵陣だ。
 エイリアン・ハンター達はレンの金縛りに身動きが取れずにいた。
 連中はオレ達を睨み付け、さらに金縛りを解こうともがいていた。
 普通なら好機って言えるだろう、何しろ敵は動けぇんだ。何しろ舞を攫い、恵ちゃんが一歩間違えば死ぬ所だった。半殺しにされても仕方がねぇ…… って言えたらどんなに楽だろう、生憎そんな事は出来なかった。
 すると千鶴ちゃんが言って来た。
「レン、彼等を離してあげて」
「ミーゼル班長?」
「大丈夫、私は戦いに来た訳じゃないわ、勿論、こちらも人質…… いや、サポーターを返してもらうけどね!」
 すると千鶴ちゃんはギルを持っているエイリアン・ハンターの方に近付くとそいつからギルを取り返してオレ達の方へ戻って来た。
 そしてオレにギルを手渡した。
「良かったな、相棒」
『やれやれ、一時はどうなるかと思った』
 ギルがため息を零した。
 千鶴ちゃんが微笑すると今度はレンを見た。
 そのレンはコクリと頷くと目を閉じて呟いた。
「分かりました」
 レンはコクリと頷くとエイリアン・ハンター達を見ると目をカッと見開いた。
「ムンッ!」
 その途端にエイリアン・ハンター達は自由を取り戻した。