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SAⅤIOR・AGENTⅡ

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プロローグ



 誰しもが眠りに着いた夜の町。
 月明かりに照らされた道路を1人の男が走っていた。
 歳は30代半ばと言ったところだろう、黒いニット帽とジャケットとジーンズ姿の男は額から汗を流し、小脇に抱えたスポーツバックを大事に抱えていた。
「はぁ、はぁ!」
 男は後ろを振り向く。
 誰もいないのを確認すると足を止めて近くの壁に背を当てて息を整える。
「ふぅ……撒いたか」
 男はその場にしゃがみ込んでスポーツバックを見て口の端を上げた。
 だがその時だった。
「生憎だな、旦那」
「なっ?」
 目の前に1人の少年が現れた。
 眼鏡をかけた少年は右手に持った銃を男に構えた。
「逃走ルートは全部把握してんでね、大人しくしな!」
「くっ、くそっ!」
 男は慌てて立ち上がって逆方向に逃げようとする。
 しかしそれは最早不可能だった。何故ならそこにもう1人、別の少年が立っていたからだ。
 背が高く目が鋭い、右手に持った光の刃のポールアクスを構えながら近づいて来た。
「ボンドー星人ウォーラ、銀行強盗の現行犯で逮捕する!」
「くっ……まだだっ!」
 ウォーラは大きく目を見開いた。
 いや、見開いたと言うレベルでは無く飛び出たと言った方が良いだろう。
 顔の半分以上の複眼、顎が左右に割れると衣服を突き破りって背中から蝉の様な透き通った羽が飛び出した。
『ハハハっ! 捕まってたまるか!』
 ウォーラは羽をはばたかせると空に舞い上がった。
「チッ!」
 眼鏡の少年が銃を発砲する。
 しかしウォーラの飛空時のスピードは以上に早く、金色のエネルギー弾を全て回避した。
『あばよ! そのまま指を咥えてな』
 勝ち誇ったウォーラ、しかし月を背後に何かが急接近して来た。
「はあっ!」
 それは背中に蝙蝠の羽根の様な物が生えたツインテールの少女だった。
 少女は身を翻してウォーラの背中に向かって右足を突きだした。
『ぐはぁあ!』
 ウォーラは地面に向かって急降下、アスファルトに叩きつけられるとゴムボールのように転がった。
 そしてスポーツバックからも中身の札束がぶちまけられた。
『ああっ……俺の金がぁ!』
 ヴォーラは慌てて札束に近づこうとする。
 しかしその一歩手前に1人の少年が立ち塞がった。
 先ほど現れた少年達と違い、右手に光の刃の剣を持っていた。
「世の中不景気なのは分かるけどさ、大人なら真面目に働きな」
 少年は切っ先をウォーラに向けた。
 するとヴォーラは剥きだした歯を軋ませると右手の爪を振りかざした。
『クッ、クソォォオオオっ!』
「フン!」
 しかし少年はそれを見抜いていた。
 軽く身を翻して回避すると足を捻って反転すると左わき腹から右肩まで斬り上げた。
『ぐあああっ!』
「もう一丁!」
 さらに振り上げた光の剣を両手で握りしめ、一気に振り下ろした。
『ギャアアァァアアアッ!』
 ヴォーラは光の粒子となって消滅した。
 少年は大きく息を吐く。
「ふぅ……」
「おーい」
 そこへやってきたのは仲間達だった。
 その内ツインテールの少女の両腕にはスポーツバックが抱かれていた。
「ようし、じゃあ帰ろうぜ」
 そう言いながら4人は夜の闇の中に消えて行った。