らびぱん-Rabbi Pan-
「検討を祈るよ」
「なに寝てんのよ!起きなさいスナ!」
「スナ君起きたほうが身のためよ」
「スナ起きろ!スナ」
「………」
「スナ!起きーろっ!」
「くがっ……」
「雪魚様いきなりなにをっ!」
「あらぁ?あんたがぼうっとしているから、渇を入れてあげただけよ、ありがたく思いなさい」
「俺寝てたんですか?」
「覚えてないの?スナあんたいびきかいてこうこう寝てたわよ!」
「言われてみれば……」
「そんなことより寝てるってことはもう掃除が終わったってことよね?」
「いや…その…それは、その…」
「まさか、スナあんた掃除サボってここでこうこう寝てたんじゃないでしょうね?」
「いや…そういうわけでは、けっしてなく」
「あたしはしたのかしてないのか、聞いてるの!余計な言葉はいらないのよ!次余計なこと言ったらその舌をちょん切るから!」
「ひぃいぃぃぃいぃぃぃぃぃ」
「それはその…」
「あぁん?」
「ひぃいぃぃいぃいぃぃいぃぃ」
「そっかそんなに舌がちょん切られたいんだぁ~」
「し…」
「し?」
「し…ました!」
「したんだ、そっなら良かったわ」
「はい、俺がそんなサボるだなんことするわけないですよ、あはは」
「したんだったら、居間に来てもなにも文句はないわよね?」
「文句はと言いますと…」
「それは来てからのお・楽・し・み・ってことにしておこうかしら」
「とりあえず、こんなとこで話しても埒が明かない、に行きましょうよ、ほらっ!」
「はい……」
「あらぁ?何かしらこの洗濯物の山は?」
「それに何かしらこの埃は?」
「スナあんた本当に掃除したの?うちゃらかして寝てたんじゃないでしょうね?」
「洗濯物は洗濯が終わったら、タンスの中にわけていれといてってあれほど言ったわよね?」
「すみません…」
「なに謝ってるのよ、チェックはまだ終わってないのよ!」
「あらぁ?何かしらこのお湯が張ってないバスタブは?」
「それになにかしらこの後片付けが出来ていないテーブルは?」
「それにそれになんで夕食の準備ができてないのかな?」
「スナあんた本当は今日一日中自分の部屋で寝てたんでしょ!白状しなさい!」
「今言ったら罪も軽いわよ!」
「すみません…寝てました」
「ははぁん、やっと白状したわね」
「ということはつまり、スナは一日中何もせずに自分の部屋で寝ていたってことよね?」
「寝てました、いびきかいてこうこう寝てました、雪魚様の言うとおりです」
「この雪魚様の手を煩わせるとはいい度胸してるわね!」
「ひぃいぃぃぃぃぃぃぃぃい!」
「どうやらお仕置きが必要みたいね」
「と言いたいところだけど、その前に夕飯の買出しに行きなさい!」
「今何時ですか?」
「夜の8時よ!」
「…と言われましても、そんな時間にスーパーは空いてないと思われます」
「あっそうね、言われてみればそうよね…」
「じゃぁ、今から出前でも頼むことにしようかしら」
「あ~満足満足、ピザも食べたことだし、そろそろ恒例のお仕置きタイムね!スナもっと喜んでもいいのよ?」
「さてと、カード取ってこなくちゃ!」
「準備完了。スナどれでも好きなもの選んでいいのよ!」
ちなみにこのカードは雪魚様の手作りだったりします。
「………では、これでで…」
「お馬さんのカード引いたんだ?なるほどね…」
「雪魚様…これってもしかして…?」
「そうよ、文字通りスナあんたが馬になるのよ」
「やっぱりそうですか……」
「なに他のこと期待でもしてたわけ?」
「……………」
「乗馬用の鞭とってこなくちゃ!」
「……………」
「スナとってきたわよ!」
「……………」
「なによ!もっと喜びなさいよっ!」
「まぁいいわ、四つん這いになりなさい!」
「……なってます」
「そう、ならいいわ融通が利くじゃない!」
「ひひひん!」
「あっお馬さんだ、ねぇねぇ見てみてお馬さんだよ、せつな乗っちゃおうかな?」
「わぁっ!乗ってみるとお馬さんって思っていたよりかは乗り心地いいな」
「走れ走れっ!」
「もっともっと走れ、せつなのために走れ!」
「痛い……」
「あらぁ、馬はひひひんって言うんじゃなかったけ」
「人間の言葉をしゃべる馬なんているのかしら、あたし初めて見たわ」
「ずみません…」
「ほら、せつなちゃんが怒ってるわよ」
「せつな、こんなお馬さん嫌い人間の言葉しゃべる馬なんて気持ち悪いよ~」
「ひひひん!」
「それでこそお馬さんだよね」
「ひひひん!」
「ほらほら、もっと走れ!」
「ひひひひん!」
さんざん雪魚様にもてあそばれ、解放されたのは深夜の一時でした。
体力精神共に余すことなく喪失しました。
鞭で叩かれた箇所はいまだ痛みます。
(くそ…これもそれも全部HMの所為だ)
と言うかそもそもMってなんだ?
(あんな苦痛なこと好きこのんで受け止める宗派なんか病気じゃないのか…)
作品名:らびぱん-Rabbi Pan- 作家名:タダオ イクオ