らびぱん-Rabbi Pan-
【プロローグ】
地獄や天国を信じているだろうかとかいうそんな問い掛け、世間の人特に日本人は鼻で笑うだろう。
そもそも苦しい時の神頼みとかなんとかいう言葉がある自体日本人は根から神様を信じる気はないと言える。
俺だってそうだ、死んだら"無"になるだけ、なにもなくなるだけで済みたい、狂信者でもないのだし、地獄や天国の存在を信じたくはない、子供の夢の中や創作物の中だけで留めておきたい。
だけど、俺はそれを本気で信じている。
その要因は他でもない、俺特有の変わった体質、俗に言うM体質だが、俺のは従来の物と少しばかし違う、さらに進化した未来の者という言葉が適切だろうか、従来の物は女性に冷たくされたり暴力を振るわれたりするとM気質発動とかなり、どこかのマシーンが動き出すみたいに性格が変わるのだが。
俺の場合そのマシーンの作りが多少異なる、何故なら俺の場合女性に冷たくされるだけではなく異性問わずに怒られることすら快楽として覚えてしまう救いようのないM、メダカエムなのだ。
その所為で、幼稚園の頃は店頭の者を盗み食いして怒られるし、小学生の頃は不良組に袋叩きにされ頬に長さ3センチ幅6センチほどの傷を付けられるし、中学校の頃は不良少女たちに罰ゲームと称され背中にはMという文字の焼印を押されるし、俺の所為で親は離婚するし…。
はっきりいって良い思い出なんかほんの少しか無い、圧倒的に非道い思い出のほうが多い、思い出とすら呼びたく無い思い出ばかりだ。
背中のMマークは今までも生々しく残っているし、頬の傷はケロイドとして今も生々しく残っている。
その所為で中学時代はクラスメイトに厨二病とさんざん馬鹿にされた。
簡約するとそんな経験から俺は天国なんかいう救いの場所や神様の存在を信じるはめになってしまったと言うわけになる。
だが、こんなものはまだ二の次。
何故なら、俺のなによりの災難は中学時代に六徳雪魚(ろっとく・せつな)とか言う暴力女と付き合ってしまったと言うことだからだ。
【第一話 俺の日常】
言い忘れていたが、中学時代の雪魚と俺は文京市の市内にある超高級マンションで今同棲しています、同棲という言葉自体普通は羨ましいものだが、俺にとっては鬼畜です。
俺の一日を見たらイヤでもそう思うでしょうが…。
ちなみに現在29歳です。
『ピッピピ、ピッピピ』
5時起床、目覚ましが鳴り出すと共に布団からゆっくりと出る、雪魚様を起こさぬように。
6時ニュースを見たあと、朝食を作りに台所に行く。
6時30分朝食を準備完了
6時50分雪魚様を起こしに寝室へ。
「雪魚様、朝ですよ!」
6時52分雪魚様の安らかな寝息が聞こえる
「…………」
ゆっくりと覗きます。
白雪姫のような可愛い寝顔ですが、着ぐるみで寝ているのがなんとも勿体無い
俺対策とか言っておられますが、Mの俺がそんなことするはずがない。
俺からみたら雪魚様はクマさんの着ぐるみが大好きな子供のようにしかみえません。
「朝ですよ」
俺はすかさず叫びます。
「…………」
厄介なことにこの雪魚様は寝坊助なので一回では起きないのです。
「朝ですよ!」
ここまで起きなかったら誰でも気が立ちますが、怒声を放ったら、雪魚様に殺されるので控えめな声で叫びます。
「朝ですよ」
「…………」
少し変化がありました、雪魚様が寝返りを打たれたようですが、横に打たれました、俺が来たことを感知し警戒しているのでしょうか。
「朝ですよ」
「…………」
「あっもう…誰ようっさいわね、人の睡眠を邪魔して」
「すみません…声がうるさかったようで、自重します」
「ふぁぁっ~あっ、スナ!、えっもう朝なの?」
ちなみにこのスナというのは俺のあだ名で、沙男(すなお)の沙からとられました。
ゴミとかと同じ意味だそうです。
「朝だから起こしに来たのですよ!」
「で、朝食は出来てるの~?」
「出来てます万全の大万全です」
「あっそう」
「じゃぁ、もう下がっていいわよ」
「有難きお言葉」
「ちょっと何喜んでるの、スナはこれから掃除するんじゃないの?」
「あっなるほどね、サボろうとしてるんだ~」
「そんな気持ちこれしきもないです」
「あっそう、ならいいけど」
「もしサボったりしてたら…」
「わかります、鞭打ちの刑ですよね?」
「あら、わかってるじゃない」
犬のように頭なでなでされた後、俺は掃除をかけに居間に向かうのでした。
「…………」
ここでやっと安堵のため息を吐きます。
しかしゆっくりしてられるのも本の数分の時間だけ、サボっているのがバレたら、たちまち俺は雪魚様の餌食にされてしまうのです。
だからせっせと掃除します。
7時30掃除が終わり、玄関に行き雪魚様を見送ります。
「スナなにやってんの?見送り忘れたの?」
「忘れてなんかないです」
これには一分でも遅刻したら殺されます、会社と同じ扱いです、もっともこんな非道い会社存在するとは思えませんが。
「10秒いないに来なさい、10、9、8、7、6、5」
「お待たせました!」
「あら、今日は5秒じゃない!いつもより遅いじゃない!」
「明日から5秒以内にしようかな…?」
「それだけはご勘弁を……」
俺は思わず泣き出してしまいました、情けないです、男としての大恥さらしです。
「わかったわ、スナが可愛いから今回は許しておいて上げる」
「いってらっしゃませ」
「じゃぁ、行ってくるわね」
「家の掃除と夕飯の準備は任せたから、昼食は家にあるもの適当に食べておいて」
ひまわりのような笑顔を向けられ、雪魚様は出勤されました。
――こういうところは毎度ながら可愛いと思います。
さてと…俺も出勤かと思いきや、俺は何の気もなしに自室に向かうのでした。
そうです、俺は雪魚様の言葉通り、家政夫でニートなのです。
かれこれ10年間色んな会社に当たりましたが、どこも一時期勤めては解雇、その原因は人間関係とかそういうものではありません。
俺が抱え持つ亜種型M属性通称『HM(ハイパー・マゾヒズム)』こいつです、そうですこいつなのです。
俺を長年苦しめてきた、こいつは俺にとって癌のような存在です。
ちなみに命名したのは勿論俺自身です、俺ってセンスいいなとか思うこともありますが、ほとんどが自嘲です。
くだらないことを考えている間にも、自室に着きました。
この時間だけが俺にとっての唯一の極楽の時間です。
(そういわばヘブン!天国なのです!)
俺は回転椅子に座るなり、パソコンを立ち上げました。
目的はそうチャットでフィーバーすることだぜ。
何故こんなにも俺のテンションが上がるかというとチャットには俺の同志がいるからです。
中学時代に雪魚と付き合っている間何とかごまかして友達とひそかに会ってました。
このチャットを始めたのも友達に紹介されたのがきっかけです。
画面にはチャットベイビーと書かれた入室画面が表示されてました。
どうやら、考えている間に勝手にサイトに行き着いたみたいで、俺はすごく器用なようです。
が、このチャットベイビーって名前がなんとも癪に障ります。
なんか赤ちゃんがするようなチャットのような気がしてなりません。
エムの俺がそんなことを言ってはダメなので自重はしますが…。
(恒河沙…入室と…)
地獄や天国を信じているだろうかとかいうそんな問い掛け、世間の人特に日本人は鼻で笑うだろう。
そもそも苦しい時の神頼みとかなんとかいう言葉がある自体日本人は根から神様を信じる気はないと言える。
俺だってそうだ、死んだら"無"になるだけ、なにもなくなるだけで済みたい、狂信者でもないのだし、地獄や天国の存在を信じたくはない、子供の夢の中や創作物の中だけで留めておきたい。
だけど、俺はそれを本気で信じている。
その要因は他でもない、俺特有の変わった体質、俗に言うM体質だが、俺のは従来の物と少しばかし違う、さらに進化した未来の者という言葉が適切だろうか、従来の物は女性に冷たくされたり暴力を振るわれたりするとM気質発動とかなり、どこかのマシーンが動き出すみたいに性格が変わるのだが。
俺の場合そのマシーンの作りが多少異なる、何故なら俺の場合女性に冷たくされるだけではなく異性問わずに怒られることすら快楽として覚えてしまう救いようのないM、メダカエムなのだ。
その所為で、幼稚園の頃は店頭の者を盗み食いして怒られるし、小学生の頃は不良組に袋叩きにされ頬に長さ3センチ幅6センチほどの傷を付けられるし、中学校の頃は不良少女たちに罰ゲームと称され背中にはMという文字の焼印を押されるし、俺の所為で親は離婚するし…。
はっきりいって良い思い出なんかほんの少しか無い、圧倒的に非道い思い出のほうが多い、思い出とすら呼びたく無い思い出ばかりだ。
背中のMマークは今までも生々しく残っているし、頬の傷はケロイドとして今も生々しく残っている。
その所為で中学時代はクラスメイトに厨二病とさんざん馬鹿にされた。
簡約するとそんな経験から俺は天国なんかいう救いの場所や神様の存在を信じるはめになってしまったと言うわけになる。
だが、こんなものはまだ二の次。
何故なら、俺のなによりの災難は中学時代に六徳雪魚(ろっとく・せつな)とか言う暴力女と付き合ってしまったと言うことだからだ。
【第一話 俺の日常】
言い忘れていたが、中学時代の雪魚と俺は文京市の市内にある超高級マンションで今同棲しています、同棲という言葉自体普通は羨ましいものだが、俺にとっては鬼畜です。
俺の一日を見たらイヤでもそう思うでしょうが…。
ちなみに現在29歳です。
『ピッピピ、ピッピピ』
5時起床、目覚ましが鳴り出すと共に布団からゆっくりと出る、雪魚様を起こさぬように。
6時ニュースを見たあと、朝食を作りに台所に行く。
6時30分朝食を準備完了
6時50分雪魚様を起こしに寝室へ。
「雪魚様、朝ですよ!」
6時52分雪魚様の安らかな寝息が聞こえる
「…………」
ゆっくりと覗きます。
白雪姫のような可愛い寝顔ですが、着ぐるみで寝ているのがなんとも勿体無い
俺対策とか言っておられますが、Mの俺がそんなことするはずがない。
俺からみたら雪魚様はクマさんの着ぐるみが大好きな子供のようにしかみえません。
「朝ですよ」
俺はすかさず叫びます。
「…………」
厄介なことにこの雪魚様は寝坊助なので一回では起きないのです。
「朝ですよ!」
ここまで起きなかったら誰でも気が立ちますが、怒声を放ったら、雪魚様に殺されるので控えめな声で叫びます。
「朝ですよ」
「…………」
少し変化がありました、雪魚様が寝返りを打たれたようですが、横に打たれました、俺が来たことを感知し警戒しているのでしょうか。
「朝ですよ」
「…………」
「あっもう…誰ようっさいわね、人の睡眠を邪魔して」
「すみません…声がうるさかったようで、自重します」
「ふぁぁっ~あっ、スナ!、えっもう朝なの?」
ちなみにこのスナというのは俺のあだ名で、沙男(すなお)の沙からとられました。
ゴミとかと同じ意味だそうです。
「朝だから起こしに来たのですよ!」
「で、朝食は出来てるの~?」
「出来てます万全の大万全です」
「あっそう」
「じゃぁ、もう下がっていいわよ」
「有難きお言葉」
「ちょっと何喜んでるの、スナはこれから掃除するんじゃないの?」
「あっなるほどね、サボろうとしてるんだ~」
「そんな気持ちこれしきもないです」
「あっそう、ならいいけど」
「もしサボったりしてたら…」
「わかります、鞭打ちの刑ですよね?」
「あら、わかってるじゃない」
犬のように頭なでなでされた後、俺は掃除をかけに居間に向かうのでした。
「…………」
ここでやっと安堵のため息を吐きます。
しかしゆっくりしてられるのも本の数分の時間だけ、サボっているのがバレたら、たちまち俺は雪魚様の餌食にされてしまうのです。
だからせっせと掃除します。
7時30掃除が終わり、玄関に行き雪魚様を見送ります。
「スナなにやってんの?見送り忘れたの?」
「忘れてなんかないです」
これには一分でも遅刻したら殺されます、会社と同じ扱いです、もっともこんな非道い会社存在するとは思えませんが。
「10秒いないに来なさい、10、9、8、7、6、5」
「お待たせました!」
「あら、今日は5秒じゃない!いつもより遅いじゃない!」
「明日から5秒以内にしようかな…?」
「それだけはご勘弁を……」
俺は思わず泣き出してしまいました、情けないです、男としての大恥さらしです。
「わかったわ、スナが可愛いから今回は許しておいて上げる」
「いってらっしゃませ」
「じゃぁ、行ってくるわね」
「家の掃除と夕飯の準備は任せたから、昼食は家にあるもの適当に食べておいて」
ひまわりのような笑顔を向けられ、雪魚様は出勤されました。
――こういうところは毎度ながら可愛いと思います。
さてと…俺も出勤かと思いきや、俺は何の気もなしに自室に向かうのでした。
そうです、俺は雪魚様の言葉通り、家政夫でニートなのです。
かれこれ10年間色んな会社に当たりましたが、どこも一時期勤めては解雇、その原因は人間関係とかそういうものではありません。
俺が抱え持つ亜種型M属性通称『HM(ハイパー・マゾヒズム)』こいつです、そうですこいつなのです。
俺を長年苦しめてきた、こいつは俺にとって癌のような存在です。
ちなみに命名したのは勿論俺自身です、俺ってセンスいいなとか思うこともありますが、ほとんどが自嘲です。
くだらないことを考えている間にも、自室に着きました。
この時間だけが俺にとっての唯一の極楽の時間です。
(そういわばヘブン!天国なのです!)
俺は回転椅子に座るなり、パソコンを立ち上げました。
目的はそうチャットでフィーバーすることだぜ。
何故こんなにも俺のテンションが上がるかというとチャットには俺の同志がいるからです。
中学時代に雪魚と付き合っている間何とかごまかして友達とひそかに会ってました。
このチャットを始めたのも友達に紹介されたのがきっかけです。
画面にはチャットベイビーと書かれた入室画面が表示されてました。
どうやら、考えている間に勝手にサイトに行き着いたみたいで、俺はすごく器用なようです。
が、このチャットベイビーって名前がなんとも癪に障ります。
なんか赤ちゃんがするようなチャットのような気がしてなりません。
エムの俺がそんなことを言ってはダメなので自重はしますが…。
(恒河沙…入室と…)
作品名:らびぱん-Rabbi Pan- 作家名:タダオ イクオ