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ihatov88の小咄集

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28トップアスリート 6/11


 バレーボールのナショナルチーム。さすがに国を背負って立つだけにみんないい顔つきで、素晴らしい身体能力を持っている。
 確かにみんな華々しい。しかし、この地位に来るまでに血のにじむような努力と練習を積み重ね、多くの競走を勝ち抜いてここまでやって来たのだ。そしてバレーの選手には共通していることがある。

   みんな大柄なのだ

 ごく当たり前のことのように思えるが、ここにいる選手たちはバレーを志した時はみんなチビッ子だったはずだ。バレーをしてるから大きいのか、大きいからバレーをしてるのか、そんなことは分からないがとにかくみんな大きい。そこでずっと疑問に思っていたリポーターは練習風景を見守る監督にインタビューしてみた。
「監督、質問なんですが、バレーの選手はなんでみんなこんなに背が高いのですか?」 
「始めた頃はみんな小さかったさ」ピリッと辛口で有名な監督が質問に答える。「だけど、彼女たちはいろんな困難を乗り越えたからあれだけ背が延びたんだよ」
「困難、ですか?」
確かに、苦労無くして頂点には上れない。では何が困難だったのだろう。
「そうだ、ここにいる者はみんな弱いチームの中で一人でチームを背負ってきた者ばかりなんだ、だからここにいる」
そして監督はこう言った、


「チームのみんなから足の引っ張られてきたから、背が伸びたのだ……」
作品名:ihatov88の小咄集 作家名:八馬八朔