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秋月かのん
秋月かのん
novelistID. 50298
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第1章  4話  『いつもの日常 どこか違う日常』

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「冬姫、あまりそう真に受けるなよ。今に茜専用の玩具にされるぞ」

「えぇ?し…しないよ~そんなこと。茜ちゃんはそういうことしないもん。ね…ねぇ、茜ちゃん?」

「そうだな~にひひひ」

茜は意味深に笑ってみせると、キラン☆と一瞬目を輝かせた。
ほ…本気だッ!!…本気で玩具にする気だッ!!

「まぁそれは冗談だけどな」

嘘だ、ぜってー嘘だ。さっきの目はマジだった。

「ほら~言ったとおりでしょ~。茜ちゃんはいい人なんだから、ハルちゃんもそんなこと言っちゃダメだよ~。めっ」

あのな冬姫、人を信じることはいいことだが、たまには人を疑うことも必要なんだぞ。
でないといつか痛い目に遭うことになるぞ。
俺はそう思いながらぽんぽんと冬姫の肩を叩いておく。

「あはは。んじゃ、あたしは先に帰るぞ。あっそうだ、この後、暁とゲーセン行くんだけど春斗も行こうぜ?どうせ暇だろ?」

ゲーセンか…いいなぁ。
いつもなら行くとこだが…。

「あぁ悪い。この後ちょっと職員室に用が出来ちまってな。だから今日はパス」

「職員室?なぁに~またあんた何かやらかしたのか?毎度毎度ホント懲りねぇヤツだな」

何で俺=問題、問題=職員室と考えるかな…。
…まぁそう思われても自業自得なんだが。

「いや違うって!今日は違う。ミナが学園長に挨拶に行きたいって言うんで俺はその護衛の任を任されたんだよ」

「ご…護衛って。何でそんなことが必要なんだ?誰かに狙われてるわけでもあるまいし…」

「いや、何千何百ものハイエナがいつミナが現れないかと今か今かとこの時も待ち構えているのだッ!」

まぁこいつらは知らないだろうからな。
…この前のアレを。

「またわけのワカランことを…。まぁいいか。んじゃ、今日はあたしらだけで行ってくるぜ。ミナちゃんによろしく言っといて」

「おうよ」

「んじゃ、冬姫もまたな~。あと、そろそろかえで起こしてやんなよ。ほっといたらずっと寝てるから。じゃな」

「うん、わかった~。ばいばい~」

そう言うと茜は、ミナに話しかけていた暁を無理やり引っ張って教室を出て行った。

「さてと、ほら~かえちゃん起きて~帰るよ~」

俺の隣の席でぐーすか寝ているかえでを冬姫が起こしに行く。
ってだから、何でかえでにはツッコまないんだ?!

などと心の中で愚痴っているとミナが鞄を持ってパタパタとやってきた。

「ヒナちゃん、準備出来ました」

「よし、んじゃ行くか」

「はい!」

「じゃ、冬姫、俺たち行ってくるからな。気をつけて帰れよ」

「うん。ハルちゃんもミナちゃんも帰りは気をつけてね~」

「わかってるって」

そう言ってミナを連れて教室を出ようとしたとき、

「おーい、春斗~ちょっとちょっと」

いつの間にか起きたかえでに呼び止められた。
しかもちょいちょいっと手をこ招いている。…なんだ??

俺がかえでに近づくと、かえではいきなり耳打ちしてきてこう言った。

「この後絶対イベント発生するからちゃんとセーブして、CGも回収するんだよ☆」

(………)

ビシッ!!

「あいたッ!な…何すんのさ~」

俺は有無を言わさずかえでの額にでこピンをくらわせてやる。

「何事かと思ってたらまたくだらんことを。現実をゲームと同じにするなよ。じゃあな」

俺はかえでに別れを告げると、ミナを連れてさっさと職員室に向かうのだった。




「さぁて、どうしたものか…」

俺は今、職員室の前にいる。
ミナをここまで無事に職員室まで護衛の任を果たし俺はここにいるわけなのだが。
…といってもまぁかなり行く手を阻まれたけどな…。

ミナを見て目をハートマークにした大勢の女子が俺たちにどっと迫ってきて揉みくちゃにされるわ、それをガードする俺への問答無用の殴る蹴るの集中業火…あれはマジで痛かった。

まぁ、そんなこんなで何とかミナを送り届けたわけだ。
そして、なぜ俺がここで悩んでるのかというと、ミナが学園長に挨拶してる間をどう時間を潰すかということだ。

ミナは、『1時間くらいしたら迎えに来てください』と言っていた。
-さて、どうしようか

<選択肢1>
「まぁ、適当に校内をぶらつくか」

<選択肢2>
「あっ、そうだ!生徒会」

<選択肢3>
「ここはワイルドに屋上で黄昏てやるぜ」

俺の頭の中で、恋愛ゲームお決まりの選択肢が頭に浮かんだ。
どうするかな。

<次回へ続く>㩲Ⱒ