小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
秋月かのん
秋月かのん
novelistID. 50298
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

第1章  4話  『いつもの日常 どこか違う日常』

INDEX|1ページ/7ページ|

次のページ
 


ピピピピピッ!!


「うう…ん……う…うぅ…ん」

もう朝か…ふぁぁ…。
目覚まし時計を止め、俺はまだ眠くてだるい体をベッドからむくっと起き上がらせる。

「何だか寝た気がしないな……ふぁぁぁ~っ」

疲れが全然とれてないから体全体くそだるくて、俺の脳は俺にまだ睡眠を要求してくる。
もう一度寝ようかという意識に駆られるが俺は何とかそれを抑え込む。

「ふぁぁぁ~っ。これも昨日のアレが体に響いているのかもな」

あぁ、とてつもなく疲労と脱力感。何もする気が起きん。
このまま寝てたい、家にいたい、学園休みたいの3コンボ。
実際、ミナの話ではどれぐらいかよくわからんが結構な力を使ったようだ…。

でも、この力を使うたびにこうなるんじゃもうこの力を使うのは今後は遠慮願いたいぜ。
ただでさえだるいのにこれ以上だるくなるのはホントごめんだ。
まぁ、もうこれを使うことが起きないよう祈るばかりだぜ。
っていうか使い方知らんしな。

「ふぁぁぁぁぁぁ~っ……」

ちょっと油断するとすぐにでも夢の世界に旅立ってしまいそうだ…。
こうしてる今でも目がだんだんと閉じて……っていかんいかん!
危うく寝ちまうとこだったぜ。

「……起きるか」

俺はだるい体を何とか制御することに成功すると、ベッドから降りて着替える。




リビングに下りると、明日香が朝食の支度をしており、テーブルではかえでが突っ伏して寝ていた。しょうがないヤツだな、まったく。

「はよ~っす」

「あっ!お兄ちゃん☆おはよ~♪今日も早いね~どうしたの?もしかしてホントに心機一転しちゃったとか?」

「ん?ま…まぁな。……あははは」

今日のはただの偶然だ……っていうのは内緒にしておこう。

「もうちょっと待っててね~もうすぐ朝ごはんできるから☆」

「あいよ」

立ってるのもだるいので俺はいつもの席に座る。ちなみにかえでの隣だ。
ホントは明日香が座りたいと駄々をこねていたのだが、俺から遠慮させてもらったのだ。
ただでさえべったりな明日香が俺の隣にでもいてもみろ。
絶対…いや確実にスイッチが入ってしまうだろう。

何のスイッチかって?
それは…あぁ思い出すのも恐ろしい。…まぁ、それはいずれ追々語っていくとしよう。
取り敢えず今はだるい…。

「よぉ、こんなトコで寝てるとはまた朝までネトゲーやってたな」

「んぅわぁぁ?うぅん…うぅ。ん…何だ、春斗か。おはよう~」

かえではむくっと顔を上げ、大きな欠伸をして、それから大きく伸びをした。

「まったく…こんなに眠くなるくらいならもっと早く切り上げろよ。休みの日ならまだしも」

「いや~最初はあたしもそのつもりだったんだよ。そのつもりで適当に狩りしてたし」

「んじゃ何で?」

「それがね…手に入っちゃったんだよ~!まだ見ぬレアアイテムが☆」

かえではかなり興奮しながら、目をキラキラと輝かせて言った。

「それをみんな(ネトゲーでパーティ組んでいる)に話したらそれはもうかなり盛り上がっちゃってさ~。みんなでお祝いしたわけよ!!そしたらせっかくだからってことでみんなで狩りすることになってね。いや~久々に有意義な狩りであった☆」

かえではとても満足そうな顔で微笑む。
しかも興奮が未だに癒えないのかさらに、かえでは饒舌にその時のこと語ってみせる。
だが俺はだるくてこれ以上聞く余裕がなかったから適当に相槌を打っておく。

「そうか…。それは…よかったな」

とただ一応賞賛の言葉を言っておいてやった。
かえで…俺はもうお前に言うことがない。社会性を身につけて強く生きろよ…。

「は~い♪おまたせ~♪朝ごはんできたよ~♪」

絶妙なタイミングで明日香が朝ごはんを持ってやってくる。
……助かったぜ。

「お~待ってました~♪あたしお腹もうペコペコ~いっただきまーす」

「…しょうがない奴だな」

「あはは♪いっぱいあるからたくさん食べてね~♪はい、お兄ちゃん、コーヒー。何か眠そうだったからこれ飲んで目を覚ましてね♪」

「あぁ、サンキュー」

俺は明日香に入れてもらったコーヒーをありがたくいただく。
…うーん、ちょうどいい苦味だ。
と俺がちょっと優雅な感じでコーヒーを味わって飲んでいると、

「おじゃましま~す~」

いつものように冬姫がふわわんオーラで俺の家にあがり込んでくる。
しかし、いつもながらに思うが…何だか朝から思わず力が抜けちまうぽわぽわボイスだな。

「あっ、ユキちゃんだ~♪どうぞ~」

明日香はパタパタと玄関まで駆けていった。
するとすぐに冬姫をつれて明日香が戻ってくる。

「あれぇ?ハルちゃん今日は早いんだね~。私、びっくりしちゃったよ~。あ、言うの遅れたけど、おはよ~」

極上スマイルで挨拶する冬姫。
…って、今こいつさりげなく失礼なこと言わなかったか。

「はよ~。まぁ俺にもそんな時くらいあるさ。ほら、そんなトコ突っ立てないでこっちに来て座れよ」

「うん。ありがと」

そう言うと、冬姫は俺の向かいの席に座る。

「あ、かえちゃんもおはよ~」

「もぐもぐ…っ。あ、ふぅふぃふぃ~おふぁよ~。もぐもぐ…」

かえでは冬姫が挨拶すると一瞬食べるのを止めて返事をしたが、すぐに食べることに集中してしまった。って口にモノを入れたまましゃべるな。仮にも女だろうが。

「いつも思うんだけどかえちゃんってホントよく食べるよね…」

「それについては俺も同感だぜ。一体このちっこい身体のどこにこんなに入っているんだか…」

「あはは♪でも作り甲斐があってボクは嬉しいよ♪かえちゃん好き嫌いないし、ボクが作ったもの何でも食べてくれるし♪」

かえでのことだ…口に入れさえすれば何でも食べるにちがいない。
でもまぁ、確かに明日香の作るモノは冗談なしに美味いからな。
…いや、ホントマジで。

明日香の料理の腕なら店くらい出してもおかしくないんじゃないかと俺は思う。
三ツ星だろうが五ツ星の名店だろうがどーんときやがれってんだ。
明日香の腕にかかればそんな店1つや2つ、いや、何店かかってきたってどうってことねぇさ。どんな名店だろうがきっと明日香シェフはやり遂げてくれることであろう。

シェフの華麗で鮮やか、巧みな舞いで人々に心と目を惹きつけ、バッタバッタと名店を圧倒し、上位を独走し、トップの座に君臨することも夢じゃないだろうさ。
料理の世界でもきっと対等に渡り合っていけること間違いなしだぜ。
実際、明日香の料理はかなり評判がいいわけだし…。

ここにいるみんなが大絶賛してるわけだし…。近所でも大人気だ。
もっと言えば、明日香の腕をどこかから聞きつけて、商店街の店やレストラン、その他にもテレビや雑誌に掲載されているような有名店のシェフが直々に訪ねてくることだってあるのだ。

いや、ホント俺にはもったいないくらいのよく出来た妹だぜ…。
というか出来すぎじゃね??アニメじゃないんだからさ。
こんなハイスペックな妹がいたらどこぞの妹アニメの兄のような立ち位置に俺もなっちまうじゃないか。

とここで、