moonlight特別編 -恋する瞳はツンツンツン!?-
ネオ 「なによ、その手」
健斗 「何って、決まってるじゃないっスか! 今日はバレンタインデーっスよ! だーかーら」
ネオ 「(健斗のせりふにすかさず、きっぱりと)ない」
健斗 「(渡すチョコがないことに心底信じらないように)なんででっスか!」
ネオ 「(冷たそうに)アンタのような恩着せがましいナルシストには、渡すものなんてないに決まってんでしょ」
健斗 「(反論するように)俺はナルシストじゃねぇっスよ! (残念そうに)ちぇっ、もらえると思ったのに。あーあ、チョコ、もらえねぇかな」
ネオ 「(長い沈黙の後に)……健斗、まさかアンタ、もらえると思ってんの?」
健斗 「(自信満々に)そりゃそうっスよ! 毎週やってる昼の放送での演奏、放課後に毎月やっているコンサート、そして文化祭に地元のライブフェスへの参加! moment’sでこれだけ活躍したんですよ。俺のドラムさばきとほとばしるアニソンへの熱き魂に、女子たちは心の音色を奏でたに違いないっス!」
ネオ 「(呆れ果てたように)はあ」
健斗 「(ちょっと不快そうに)な、なんスか。その、残念そうな顔は」
ネオ 「(小馬鹿にしたように)いや、アンタって、つくづくおめでたいなあって」
健斗 「あ、そーいうことっスか。(嬉しいけども照れたように)えへへ」
ネオ 「ほめてないんだってば。ほんっと、ナル男なんだから」
健斗 「(イラッとするように)だから、ナル男じゃねぇっス! そのあだ名で呼ぶの、やめてくださいよ。女子たちに勘違いされてしまうんですから」
作品名:moonlight特別編 -恋する瞳はツンツンツン!?- 作家名:永山あゆむ