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あのころ

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まだ六本木に防衛庁があった頃
ションベン通りと呼ばれる脇道に
沢山の面白い店があった



深夜から始まるそれらの店は
知らなくていい事ばかりを教えてくれる場所だった

数々の悪い事 面白い事 男と女の嘘が毎晩繰り返されていた
誰もがそれを見たくて通った



移り変わりが激しい場所

つまらなければ無くなってしまう店達


久しぶりの期待感





最近できたばかりのKに3人で入った


ミッちゃんの好きそうなシンプルに見えて無機質ではなく
エルメスの灰皿やバカラのグラスをさり気なく使っている店内
中央にある大きな花は見る者を優雅な気分にしてくれる


沢山の綺麗なオネエサン達がアフターで来ていた
絵に書いた様な光景
でも六本木ではなく銀座の高級店だとすぐにわかる
夜に働く女達にも格付けがある


六本木や新宿は華やかさはあるが品がない

銀座の女は一見地味に見えて
よく見ると顏の骨格から美しい
横顔の鼻から首にかけての線や伏せ目がちにするとよくわかる

派手さは無いが持ち物全てが一流だ

お財布達がよく言っていた

遊ぶなら六本木
いつでも捨てられるから

付き合うなら銀座
一流の女には捨てられたくないと





一段高くなっている席に通された
店全体が見えるその席は
大金を使うからこそ座れる


ミッちゃんは昨日も来ていたらしい


担当の男の子がお酒を作ってくれる
二十歳のかわいい子だ
俳優志望らしいがなかなかオーディションに受からないらしい
物腰が柔らかくて感じがいい
そしてお酒が強くて面白い

ナンバー1なのも当然だ

他にも3人程ヘルプがついて
シャンパンの空き瓶を並べて遊んでいた時





彼が席に着いた

















く
作品名:あのころ 作家名:sumire