小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
明梨 蓮男
明梨 蓮男
novelistID. 51256
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

アミィに捧ぐ”Duet”

INDEX|5ページ/5ページ|

前のページ
 

 それは、ひどく傷つく茨の道。他人のことなんて、信じないほうがいいに決まっている。言葉なんか、まともに受け取っていたらずっと損してばっかりじゃないか。ただのコミュニケーションの道具として使う方がいい。ホモサピエンスのコミュケーションのフォーマットだ。犬がワン、と鳴くのと同じ。言葉の意味など枯れてしまえばいい。
「手を、握って」
 温もりをもっと強く感じたい。またいつ冷たい炎が身を冒すか知れない。
「うん……」
 疑いの火種はあっというまに広がり、己自身を焦がしつくす業火のようだ。いっそのこと氷室の煉獄に灰になるまで閉じ込められれば、こんなに苦しまずにすんだ。いつだって生田は出来たはずだ。
 結局、俺は求めていたんだ。言葉に意味があることを。この奈落から、冒し続ける凍てつく蒼白の炎から助けてほしかったんだ。心の奈落に差し伸べられた手を強く握って、ようやく震えが止まった。