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ぽっちゃりグラビアアイドル×秋葉系東大生

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ぽっちゃりグラビアアイドル×秋葉系東大生

宏は今年の春、東大に合格した。工学部に入ったのでほとんど女の子と話す機会がなかった。最近理ケ女という言葉があるがごく一部の人だ。実際。
 
 今日も秋葉原に行って新人アイドルのコンサートを見て、ゲームソフトを買って家に帰るところだ。アイドルとゲームは人を裏切らないからいい。

 帰る途中家の間際で見慣れた女の子を見かけた。そのぽっちゃりした体系の女の子はまぎれもなく幼馴染の飯館花子だ。
「花子」
「ひろちゃん」
「久しぶりだな」
「久しぶり。どう?東大の生活は…あっあんた、また秋葉原で買い物してたのね」
 花子は僕の買い物袋を見て言った。
「まあね。いろいろ勉強とか大変でストレスが…‥」
「ストレスなら汗を流して解消しなさいよ。男でしょ……って私も人のこと言えないか、運動音痴で、体重も……あっ考えたくない」
「どうしたんだよ。別に昔と体型変わってないよ。ちょいデブくらいで普通だよ」
「ちょいデブってよく女の子にデリカシーもなく言えるわね。まあいいわ。立ち話もなんだし、そこの公園で話しましょ」
 僕と花子は公園のベンチに座った。
「ひろちゃん東大入ったでしょ?将来なんか夢とかあるの?エンジニアとか」
「夢ねえ。とにかく漠然としてるんだけど研究職とかつきたいな。分析するのとか好きだし」
「へえー。やっぱりひろちゃん学者肌だもんね」
「花子は?」
「私は……今は三流大学で国文学を習っててでも本当は…‥えー、やっぱ言うのよそう」
「何だよ。俺に隠さなくたっていいだろう」
「アイドルなんか追いかけているキモいあんたに、乙女の秘密は打ち明けられないのよ。悩みとか」
「別に悩みを聞いたわけじゃないよ。夢を教えてほしいって言っただけで」
「私の夢と悩みは表裏一体なの」
「じゃあ、なおさら教えてよ。力になれるなら力になるよ」
「じゃあ、絶対笑わない?」
「うん。笑わない」
「あのね……私ね……なりたいものがあって。つまりアイドル目指してるの。グラビアアイドル」
 僕はそれを聞いて手品で鳩が出ると思いきや、鶏が出てくる思いだった。一瞬笑いそうになって、たった今交わした約束を思い出しこらえた。
「グラビアアイドル?花子が?」
「あーどうせそんなデブには無理とか思ってるんでしょ。水着着たら見苦しいとか思ってるんでしょ。名前だって花子じゃお笑い芸人みたいだとか思ってるでしょ。絶対無理だって」
「いや、そんな」
 よく見ると花子は体型はともかく痩せると可愛いかもしれない顔をしている。今までそんな目で見たことなかった。芸能人で確かこんな顔をしている人がいたような……でもこの体型じゃ……」
「でもダイエットに成功すれば花子は顔は割といいし、売れるかもしれないよ。芸能人で昔太ってた人もいるって聞いたことあるし」
「それがダイエットしても全然続かないのよ。痩せないからやる気なくすし」
「そうか続かないか」

 二人の間で沈黙があった。僕はしばらくしてこう言った。
「よし、じゃあ、分かった。二人で花子のダイエット計画をしよう。僕がどうすれば効率的に痩せるか東大生の頭で分析する。本気でやる」
「本当に?」
「うん。任せといて。将棋一週間思い切りのめり込んで、有段者に勝った頭脳だ。俺に不可能はない」
「意志の弱い運動音痴の私でも?」
「必ず痩せさせてみせる。自分の力でグラビアアイドルを誕生させたら、これ以上の快挙、僕の人生でないよ。東大合格の上を行く」
「じゃあ、ひろちゃん協力してくれるのね」
「うん二人で頑張ろう」                    (続く)