No.27
担任の声、俺はうまく動けなくて、八組の方を向いたままかたまってしまっていた。泣きたいような気もするし叫びたいような笑いたいような、やっぱり良くわからない気分だった。
「……大丈夫です」
「ならはやく席に付きなさい」
茫然と自分の席に着く。やっぱりサボり魔という呼称は消えないらしく、先生までけらけら笑っていた。まあそれはそれで俺は楽しいから構わないのだけど。
教室の椅子がなんだか落ち着かない。自分の席なのになんだかしっくりこないのがおかしい。早くあの青い、青いベンチに座りたい、なんて。今日は晴天だから、きっと気持ちがいいだろう。漠然とした期待。それと、もう一度あの一言を。
――親友、だからね。
ぼそりといった言葉が、もし最初で最後だったとしても、俺は忘れないだろう。微かな勇気の積み重ねの上にある、その言葉を。
ああ、そういえば。俺も出席番号、二十七番だ。
了