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森の館

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ココアの香りは裏庭に広がっておりました。

ピロリンは小さい湖の近くで手を洗うとテーブルと椅子のある場所へやって来ました。

「今日の午後2度目のお茶の時間だね ポロラン」

「ええ・・・ピロリン」とポロランは応えましたが実はポロランは独りで、

休憩を何度も繰り返しては珈琲や紅茶を飲んでいたのでした。

「もうじき夕方ですが 少し遅めのお夕飯に致しましょうね。ピロリン」

「ああ ポロラン 今日はもうじき終わらせるよ」

「この調子ですと明日には完成しますね ピロリン」

「そうだね ポロラン」

こうしてぽつりぽつりと会話をしては暖かいココアをゆっくりと飲んでおりました。

午後も夕方前になるとピロリンとポロランの館の周りは少し温度が低くなりました。

暖かい飲み物はお腹を温めてくれたのでした。

作品名:森の館 作家名:天田昇