アナザーワールドへようこそっ! 第二章 【032】
何だよ、シーナのやつ…………確かにマルコは良い奴だけどさ…………かわいいか?
気づくと俺は、マルコに対して『やきもち』を抱くような感情が湧いていた。
それに気づくと、俺は慌ててシーナに悟られないよう、その感情を奥に押し込める。
何でだろう? シーナにこんな気持ちになるなんて?
確かにシーナは美少女ではあるけど、性格はどちらかと言うと、タイプじゃないはずなんだけど…………うーむ、わからん。
とりあえず俺はその感情を押し込むと同時に、すぐにそのことを考えるのはやめた。
「ねえねえ、とりあえずさ、わたしたちも外に出て、今後の『生徒会対策』しない?」
と、アイリ。
「あ、いいね、いいね。行こっ? お兄ちゃんっ!?」
そう言って、シーナが俺に腕を絡ませ引っ張る。
「ちょ、ちょっと待てよっ! 俺とお前はまだ『招待金』もらっていないんだから、お金なんて持ってないだろ?」
俺は、シーナの胸のふくらみが当たっているのを内心『ドキドキ』しながら返事をした。
するとアイリが、
「大丈夫っ! 今日はわたくしアイリ・カールトンが出しますっ!」
「「おおっ!?」」
素敵だっ! なんて素敵な女(ひと)なんだ、アイリ様はっ!
俺とシーナはアイリを尊敬の眼差しでみつめた。
「…………『招待金』が入ったら、キッチリ取り立てますのでご心配なく」
ですよね~。
そりゃそうですよね~。
「ご利用は計画的にっ!」
かくして、俺たちは『アイリ金融』のお金で、学校(アカデミー)の外に出て、『生徒会対策』という名の『お茶会』を行うこととなった。
作品名:アナザーワールドへようこそっ! 第二章 【032】 作家名:mitsuzo