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ihatov88の徒然日記

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45 寒がりのペンギン 11.28



 小学生のころ学校のすぐ近くに動物園があったので、図工の時間などで一年に数回は画板を持って学校から写生に行ったものでした。というのも小学生は無料で入れるという特典があり、大人になった今でもそれは変わらず、地元の小学生はよく動物園に行っているようです。
 ワタクシ並びに自分の子どもたちもですね、よく通う神戸市所在の「王子動物園」は、ゾウやキリンなどの定番に加えて、目玉動物といえるパンダやコアラもおります。ついでに言うと子供向けの小さな遊園地もあります。コミカルなネズミさんや魔法学校などの大掛かりなアトラクションはありませんが、それはそれで小学生以下のファミリーに的を絞った堅実な運営で今も多くの人を寄せております。個人的には、好きです。ちなみに宣伝になりますがワタクシの拙作『観覧車』にある表紙の画像並びに舞台のイメージがそれです、よかったら読んでね。

 動物は好きですか?ワタクシは大好きです。ですが飼うとなる手間がかかるのと、シフトで働いているワタクシにとってペットに申し訳ないので見るだけで楽しんでいることにしています。なので、犬を散歩している人などを見ていると羨ましいなと思うときがたまにあります。
 少し脱線しましたが、動物園に行けば本当にいろんな種類の動物がいます、面白いですね。そのどれもが進化の過程でで生まれた種であってそれぞれの特性を持っています。ゾウは鼻が長かったり、シマウマは黒白の模様だったり、蛇には手足が無かったりと必要があって何代も世代を重ねて遺伝子が自らをそのように進化させたんですね。それだけで種が長く続いているというロマンを感じます。

 動物園に行くと必ず見ておきたい動物、つまりは自分の中で一番お気に入りの動物がいます。それがタイトルにあるペンギンなんです。
 おそらくニッポンで育った人ならペンギンの絵をそらで描けるだろうと思います。ずんぐりむっくりな体型で鳥なのに飛べなくて、だからといってダチョウみたいに走れば速いのかというと全然そんなこともなく、むしろよく転んでいるのを見かけます。何とも愛くるしいではありませんか。
 そしてそのペンギンさんたちの生息地(種にもよりますよ)。南極ですよ、南極。死ぬまでに一度は行ってみたいところナンバーワンである南極です。天敵から逃れてきたといえばロマンがありませんが、争いを好まずに南へ南へ渡り生きるところを探した生き物なんだと勝手に思っています。機会があれば南極に行って先住民であるペンギンさんに会ってみたいなと思うのです。

 ちょっと夢を語りすぎて脱線してしまいました。本題に戻ります。
 気温も冷えてきた寒い冬空の休日、天候も分厚い雲に覆われて気温は上がらない。子どもたちを連れて動物園に行った時のこと、もちろん小学生以下は無料。お決まりの動物を見たあと自分の中のメインであるペンギンさんに会いにいったのです。
 それが……ですよ。神戸のペンギンさんたち。舎の中ではひょこひょことコミカルに歩いているのですが、外に出ようとしないのです。一部のペンギンは身を寄せ合ったりして……。
 そうなんですよ、このペンギンさんたち。南極生まれではなく日本生まれなんですよね、何世かはわかりませんが日本生まれのペンギンなんですよ。ということは厳しい南極の気候を知らないわけで、足に子ペンギンを挟んで寒い中じっと父親ペンギンを待つような荒修行は当然したことがないのです。すっかり日本の気候に適応しておりまして寒がりになっちゃったんですね、動物は進化するものです――。

 ※ もちろんペンギンの種によります。中には熱い地域で生息するペンギンもいるそうですよ。 

作品名:ihatov88の徒然日記 作家名:八馬八朔