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秋月かのん
秋月かのん
novelistID. 50298
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Wish プロローグ3

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「あぁそうだ!ボク、お姉ちゃんの家に荷物置いたままだったよ~。お姉ちゃん早く行こ~♪れっつらごぉ~♪」

「ま…待って!明日香ちゃん!まだ春くんとの話が…。いやぁぁぁ~」

姉さんは、明日香に引っ張られて連れ去られていった。

「ははは。まったく相変わらずだな」

でも、結局姉さんから話、聞けなかったな。
まぁ大体は予想つくけど……まぁ、後で聞けばいいか。

「とりあえず、今は帰って寝るとしよう」

俺が帰ろうとしていると、

(ざまぁ~みやがれ!ふたりとも手玉に取ろうとするから逃げられたんだ)
(俺ならふたりを悲しませることはまずしないさ~ハハハ)

「てめぇら、いいかげんに……」

俺がぶちぎれ寸前に、突然、肩をつかまれた。

「何だ、凍弥か。俺を止めに来たのか、それなら無駄だぞ」

「何を言っているんだ!わざわざそんなくだらん用事で、俺が来ると思うのか」

「確かにな。それじゃ…」

「あぁ。俺も参加させてもらうぞ!最近の学園生活に飽き飽きしていたところだったんだ。これは絶好の機会の到来ってヤツだな」

凍弥は思わず死神も震えさせてしまうくらいの不敵に笑みを浮かべた。

「そうだな。どうやらこいつら俺たちのこと知らないみたいだからな」

俺は、奴らを交互に見渡し、敵意むき出しに威嚇してやった。

(………)

すると、さっきまでの威勢のよさはどこへやらって感じで男子学生たちはぶるぶる震え始めた。

(あいつら馬鹿だよな、あの問題児の雛月先輩と湖羽先輩を敵に回すなんてよ)
(まったくだ。身の程知らずとはこのことだな)

「じゃ、やるか」

「あぁ、まかせろ!ヒナタン」

風紀委員「風紀委員です!問題の現場はどこですか?」

俺たちが、これからバトろうとした時、風紀委員が突然やってきた。

「やべッ!風紀委員だッ!おい、凍弥、にげ…るぞ?」

と凍弥に話しかけようとしたが、すでに凍弥の姿はそこになかった。

「あいつ、どこに行きやがった……って…あれ?」

あの風紀委員…どこかで見たことあるような……。
って、凍弥じゃねーかよッ!!

「あの野郎…いつの間に。つーか、うまく紛れ込みやがって…」

しかも、本物に指示までしてやがる……恐るべし凍弥。

「てか、俺はそんな場合じゃないな!風紀委員につかまる前に逃げよう」

俺は、脱兎のごとくいちもくさに、この場を退散した。

次回へ続く
作品名:Wish プロローグ3 作家名:秋月かのん