Wish プロローグ3
<1章=プロローグ>
う……うぅぅん……。
カーテンの隙間から眩い太陽の光が差し込んでくる。
「んあ……あれ?もう…朝か…」
って、結局あれから寝ちまったのか…。
まぁ、久しぶりの学校だったからしょーがないか…。
「うーん」
ベッドから起き上がり、のびをする。
そういえばさっきまで懐かしい夢を見たような気がする。
そう、あいつと初めて出会った時の懐かしいあの頃の…。
俺が見たこの夢はただの夢にしかすぎないが、すごく懐かしいかったし、楽しかった。
それと同時にせつなさもあった。
なぜならあいつはもうここにはいない…。
突然、いつの間にか俺の前からいなくなってしまったんだ。
といっても引越したんだと後から聞いたんだが…。
理由は、俺にもわからない。
まぁ、おそらく、おじさんとおばさんの仕事関係でだと思う。
あいつの両親は、元々海外で仕事をしていたらしいから。
しかし、あいつ、元気にしてるかな。昔みたいにみーみー泣いてるんじゃないだろうか。
って、なに朝からしんみりしてるんだよ俺は。俺にはブルーな感じは似合わねーぜ。
俺は、暗くなった気持ちを振り払うように再び大きくのびをした。
「さて、シャワーでも浴びてくるか」
よっこらせっと俺が立ち上がろうとすると、
がしっ!!
「ん??」
俺の腕に何かがしがみ付いた感覚を覚えた。
何だ?猫でも俺の腕にしがみ付いたのか…って猫飼ってないし。
寝ぼけるにも程があるな。
んん?
それじゃ……って、これは…まさか!
俺は、布団を思い切りめくってみた。
「すぅ……すぅ……」
そこには明日香が、気持ちよく寝ていらっしゃった…。
あぁ、こいつ~こんなに幸せそうな顔して寝やがって…いい夢でも見てるのかな。
あぁそうだな、起こしちゃ悪いからそっと出て行かないとな。
よし、そーっと…って、ちょっと待てや。
「明日香ーっ!起きろーっ!また、俺のベッドに勝手に潜り込みやがって~」
「むにゃ…むにゃ…うぅん…」
中々起きようとしない明日香。
そうか起きないか……ふふふふ。
しょーがねー、これだけはやりたくなかったが…。
どうやら、その必要があるようだな。しかたない……。
俺は、精神を集中させるため精神統一し、そして、身構えた。
「いくぞッ!!この両手が真っ赤に燃えるッ!!明日香を起こせと疼いて叫ぶッ!!必殺…ッ!!!くすぐり百烈拳!!!!ほらほら、起きろ起きろ、でないと……ッ!!!こちょこちょこちょ~」
俺は、救世主のケンの如く技を繰り出し、明日香の脇や足の裏を手加減なしにくすぐりまくる。
「あひゃひゃひゃひゃ。や…やめて…くすぐったいよ…ははは…。お…起きる…起きるから…お兄ちゃん…お願い…だから…くすぐらないでぇ~っ!!!」
明日香は、目に涙を溜めながら俺の技に笑いこけていた。
「本当に起きるか?なら止めてやろう」
俺がくすぐるのを止めると、明日香はむくっと起き上がる。
「はぁ…はぁ。むぅ~もう~お兄ちゃんったらひどいよぉ~!なんでくすぐって起こすのぉ~!ボク、もうちょっとで悶死?いや、笑死するところだったよっ!!」
「自業自得だ。また勝手に俺のベッドで寝てたんだからな」
「むぅ~。だって昨日、中々お兄ちゃん起きてこなかったから気になって。ボクがお風呂に入ってから様子を見に来ると、案の定お兄ちゃん熟睡してたよ」
「まぁ、なんだかんだで昨日は疲れてたからな」
「それでボクは、『お兄ちゃんお風呂入んないの?ごはんはいいの?』って聞いたんだけど起きなくて。だから揺すって起こそうとしてみたんだけどやっぱり起きなくて…」
「う~ん……。全然記憶にないな」
学園から家に帰ってきてから自分の部屋まで行ってベッドに寝転んだところまでは記憶にあるんだが…。それ以降の記憶がないってことはそこで寝ちまったってこったな。
「それでね、気持ちよさそうに寝てるお兄ちゃん見てたら、ボクもなんだか眠くなってきて…」
「それで、ここで寝てたわけか…」
「てへっ♪」
「こらこら笑って誤魔化すんじゃない」
「うぅ~。だってだってお兄ちゃん気持ちよさそうだったんだもん。それにねお兄ちゃん暖かくてくっついて寝るのが寝心地がいいんだよ」
満面の笑みで微笑む明日香。
うぅ…いくら妹でもそんなこと言われるのは恥ずかしいな。
「しかし、いい歳して兄貴なんぞと一緒に寝て恥ずかしくないのか?」
「うん♪♪だってお兄ちゃん大好きなんだもん。だから全然、恥ずかしくないよ??」
屈託のない満面の笑み、そう言いながらも頬をほんのりと赤らめ照れている仕草が見え隠れする明日香。
嬉しいような嬉しくないような…何だか微妙だな。
「あぁそうかい」
俺は、素気ないような素振りでそう返事をするのだった。
まぁ、明日香の言うことだ。そんなに真に受けなくてもいいだろう。
「さて、俺は、シャワーでも浴びてくるぜ。昨日風呂に入ってないせいか気持ち悪くてな」
おそらく健全なみなさんはツッコミたくなるだろう…当たり前だろうと。
だが、昨日はしかたがなかったのだ、ご存知の通り朝から『いろいろ』あったんでな。
まぁ、そこは察していただきたい。
「あぁ、ボクも一緒にシャワー浴びる~」
耳を疑う語が俺のところに届いてきた。
何、一緒に風呂に入るだと??んな馬鹿な。明日香が俺と??
俺は軽いため息でもついてやろうかと思ったがそれも面倒なのでいつもの口調で言った。
「いや、シャワーを浴びるのはいいが、俺が出てから後で一人で浴びてくれ」
「えぇ何で~?一緒に入ろうよ~」
何でって……ねぇ?
いくら妹だからって…いや、それも含めて、男と女が一緒になんか入っていいはずがない。
「何でもかんでもそれはダメだ。おとなしく待ってなさい」
「むぅ~。もうお兄ちゃんってば恥ずかしがりやサンなんだから♪」
いや、そういうことではなくてだな……まぁいいか。
「じゃ、ボクは朝ごはんの支度してるね~」
そう言うと明日香は、何ごともなかったかのように俺の部屋から出て行くのだった。
「はぁ」
何だか朝から疲れちまったぜ。昨日のとは別な意味でな。
そして、俺もシャワーを浴びるべく部屋を後にした。
「うぅん……これもいいよな、でもこっちも中々…。うぅん」
さぁ、何で俺はCDショップにいるかというと……まぁ暇だからなんだが…。
そして今、ちょうど今、俺は、大きな難問に迷っていた。それも究極の二択だ!
どうせなら二つとも買いたいところだが、何しろ小遣い前だから金欠なわけでして。
くそ~こうなるんだったらこの前、かえでの策略なんかにハマらず、冬姫と明日香に奢っておけばよかったぜ。それはこの前、俺の家でみんなが集まっていた時の話だ。
いつものように俺はだら~んとしながらテレビを見ていると、
「ん~トランプやりたいかも」
「え?トランプ?」
「また何の脈絡もないことを…」
「いやぁ、このアニメ見てたら無性にやりたくなってね。そういうのない?」
「お前ってホント単純な奴だな」
「でも、面白そうだよ~♪ねっ、ユキちゃん?」
「うん☆やろーやろー♪」
う……うぅぅん……。
カーテンの隙間から眩い太陽の光が差し込んでくる。
「んあ……あれ?もう…朝か…」
って、結局あれから寝ちまったのか…。
まぁ、久しぶりの学校だったからしょーがないか…。
「うーん」
ベッドから起き上がり、のびをする。
そういえばさっきまで懐かしい夢を見たような気がする。
そう、あいつと初めて出会った時の懐かしいあの頃の…。
俺が見たこの夢はただの夢にしかすぎないが、すごく懐かしいかったし、楽しかった。
それと同時にせつなさもあった。
なぜならあいつはもうここにはいない…。
突然、いつの間にか俺の前からいなくなってしまったんだ。
といっても引越したんだと後から聞いたんだが…。
理由は、俺にもわからない。
まぁ、おそらく、おじさんとおばさんの仕事関係でだと思う。
あいつの両親は、元々海外で仕事をしていたらしいから。
しかし、あいつ、元気にしてるかな。昔みたいにみーみー泣いてるんじゃないだろうか。
って、なに朝からしんみりしてるんだよ俺は。俺にはブルーな感じは似合わねーぜ。
俺は、暗くなった気持ちを振り払うように再び大きくのびをした。
「さて、シャワーでも浴びてくるか」
よっこらせっと俺が立ち上がろうとすると、
がしっ!!
「ん??」
俺の腕に何かがしがみ付いた感覚を覚えた。
何だ?猫でも俺の腕にしがみ付いたのか…って猫飼ってないし。
寝ぼけるにも程があるな。
んん?
それじゃ……って、これは…まさか!
俺は、布団を思い切りめくってみた。
「すぅ……すぅ……」
そこには明日香が、気持ちよく寝ていらっしゃった…。
あぁ、こいつ~こんなに幸せそうな顔して寝やがって…いい夢でも見てるのかな。
あぁそうだな、起こしちゃ悪いからそっと出て行かないとな。
よし、そーっと…って、ちょっと待てや。
「明日香ーっ!起きろーっ!また、俺のベッドに勝手に潜り込みやがって~」
「むにゃ…むにゃ…うぅん…」
中々起きようとしない明日香。
そうか起きないか……ふふふふ。
しょーがねー、これだけはやりたくなかったが…。
どうやら、その必要があるようだな。しかたない……。
俺は、精神を集中させるため精神統一し、そして、身構えた。
「いくぞッ!!この両手が真っ赤に燃えるッ!!明日香を起こせと疼いて叫ぶッ!!必殺…ッ!!!くすぐり百烈拳!!!!ほらほら、起きろ起きろ、でないと……ッ!!!こちょこちょこちょ~」
俺は、救世主のケンの如く技を繰り出し、明日香の脇や足の裏を手加減なしにくすぐりまくる。
「あひゃひゃひゃひゃ。や…やめて…くすぐったいよ…ははは…。お…起きる…起きるから…お兄ちゃん…お願い…だから…くすぐらないでぇ~っ!!!」
明日香は、目に涙を溜めながら俺の技に笑いこけていた。
「本当に起きるか?なら止めてやろう」
俺がくすぐるのを止めると、明日香はむくっと起き上がる。
「はぁ…はぁ。むぅ~もう~お兄ちゃんったらひどいよぉ~!なんでくすぐって起こすのぉ~!ボク、もうちょっとで悶死?いや、笑死するところだったよっ!!」
「自業自得だ。また勝手に俺のベッドで寝てたんだからな」
「むぅ~。だって昨日、中々お兄ちゃん起きてこなかったから気になって。ボクがお風呂に入ってから様子を見に来ると、案の定お兄ちゃん熟睡してたよ」
「まぁ、なんだかんだで昨日は疲れてたからな」
「それでボクは、『お兄ちゃんお風呂入んないの?ごはんはいいの?』って聞いたんだけど起きなくて。だから揺すって起こそうとしてみたんだけどやっぱり起きなくて…」
「う~ん……。全然記憶にないな」
学園から家に帰ってきてから自分の部屋まで行ってベッドに寝転んだところまでは記憶にあるんだが…。それ以降の記憶がないってことはそこで寝ちまったってこったな。
「それでね、気持ちよさそうに寝てるお兄ちゃん見てたら、ボクもなんだか眠くなってきて…」
「それで、ここで寝てたわけか…」
「てへっ♪」
「こらこら笑って誤魔化すんじゃない」
「うぅ~。だってだってお兄ちゃん気持ちよさそうだったんだもん。それにねお兄ちゃん暖かくてくっついて寝るのが寝心地がいいんだよ」
満面の笑みで微笑む明日香。
うぅ…いくら妹でもそんなこと言われるのは恥ずかしいな。
「しかし、いい歳して兄貴なんぞと一緒に寝て恥ずかしくないのか?」
「うん♪♪だってお兄ちゃん大好きなんだもん。だから全然、恥ずかしくないよ??」
屈託のない満面の笑み、そう言いながらも頬をほんのりと赤らめ照れている仕草が見え隠れする明日香。
嬉しいような嬉しくないような…何だか微妙だな。
「あぁそうかい」
俺は、素気ないような素振りでそう返事をするのだった。
まぁ、明日香の言うことだ。そんなに真に受けなくてもいいだろう。
「さて、俺は、シャワーでも浴びてくるぜ。昨日風呂に入ってないせいか気持ち悪くてな」
おそらく健全なみなさんはツッコミたくなるだろう…当たり前だろうと。
だが、昨日はしかたがなかったのだ、ご存知の通り朝から『いろいろ』あったんでな。
まぁ、そこは察していただきたい。
「あぁ、ボクも一緒にシャワー浴びる~」
耳を疑う語が俺のところに届いてきた。
何、一緒に風呂に入るだと??んな馬鹿な。明日香が俺と??
俺は軽いため息でもついてやろうかと思ったがそれも面倒なのでいつもの口調で言った。
「いや、シャワーを浴びるのはいいが、俺が出てから後で一人で浴びてくれ」
「えぇ何で~?一緒に入ろうよ~」
何でって……ねぇ?
いくら妹だからって…いや、それも含めて、男と女が一緒になんか入っていいはずがない。
「何でもかんでもそれはダメだ。おとなしく待ってなさい」
「むぅ~。もうお兄ちゃんってば恥ずかしがりやサンなんだから♪」
いや、そういうことではなくてだな……まぁいいか。
「じゃ、ボクは朝ごはんの支度してるね~」
そう言うと明日香は、何ごともなかったかのように俺の部屋から出て行くのだった。
「はぁ」
何だか朝から疲れちまったぜ。昨日のとは別な意味でな。
そして、俺もシャワーを浴びるべく部屋を後にした。
「うぅん……これもいいよな、でもこっちも中々…。うぅん」
さぁ、何で俺はCDショップにいるかというと……まぁ暇だからなんだが…。
そして今、ちょうど今、俺は、大きな難問に迷っていた。それも究極の二択だ!
どうせなら二つとも買いたいところだが、何しろ小遣い前だから金欠なわけでして。
くそ~こうなるんだったらこの前、かえでの策略なんかにハマらず、冬姫と明日香に奢っておけばよかったぜ。それはこの前、俺の家でみんなが集まっていた時の話だ。
いつものように俺はだら~んとしながらテレビを見ていると、
「ん~トランプやりたいかも」
「え?トランプ?」
「また何の脈絡もないことを…」
「いやぁ、このアニメ見てたら無性にやりたくなってね。そういうのない?」
「お前ってホント単純な奴だな」
「でも、面白そうだよ~♪ねっ、ユキちゃん?」
「うん☆やろーやろー♪」
作品名:Wish プロローグ3 作家名:秋月かのん