終わらないうた
不幸コンプレックス
小さい頃 ゴミ溜のような家で暮らした少年は
今ではすっかり綺麗な家に住んでいる
それが誇らしかった
チリ一つ無い部屋で少し物が増えるとキリキリして一人も友人を招くことはない
以前 超肥満に悩んでいた女性は
今ではすっかり細い体を手に入れた
それが誇らしかった
太っているものを見ると毛嫌いし 怯えながら今日も晩御飯を吐いた
体はまるで骸骨のようだ
昔不幸だったあの人は
今ではすっかり幸せのようだ
それが誇らしそうだ
毎日 毎日 幸せだとみんなにふれ回っている
それなのに誰かの幸せを見ると腹を立てた
隠された悲鳴に気付いて
もう 十分
誰も嘲笑ったりしない
大丈夫
もう十分
作品名:終わらないうた 作家名:BhakticKarna