ミステリー短編集 百目鬼 学( どうめき がく )
もちろん芹凛はそんなこと合点承知の助。
それでも百目鬼、「Okie Dokie」と二つ返事の芹凛が気になる。「どうゲロさせるんだよ」と一応上司としての確認をすると、芹凛はフフフと不気味に笑う。
「もちろん政所真可には、無法者を獄門磔の刑で処罰した、立派だわ。これであなたは正真正銘の女王様よ、と持ち上げて、最後は『部員はみんな白状した、あなたは裏切られたのよ』って、私も一つの嘘を吐かせてもらって、トコトン追い詰めてやるわ」
百目鬼はこの魔女、芹凛の執念に背筋を凍らせた。だがあとは、前のめる部下の勢いを少し鎮めてやるのだった。
「仮説は今のところ事実ではない。だが真実の確立は高そうだ、その方向で明日から一つ一つ確かめて行こう」と。
作品名:ミステリー短編集 百目鬼 学( どうめき がく ) 作家名:鮎風 遊