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涼子あるいは……

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あなたがどんな人間か、私はあなたに会ってすぐに、いや、会う前からわかっていたわよ。
私もあなたもあの子もこの子も誰もかれも、遥か深いところで共通の地盤に立っているのよ。
私が、あなたはどんな人間かをいま具体的に見せてあげるわよ。
あなたは何を見るのか。
あなたは、見たくなかったものを見る、ひどく見たかったが、いっぽうで、ひどく見たくなかったものを今度こそ最終的に見る。
これから、あなた自身を見る羽目になるのよ。
あなたがあなたを見るの。
ここに、この運動場の真ん中に、これから現れるのはあなたなのよ。
今、この瞬間、わかったでしょ? 
あの子をごらんなさい! そっくりじゃぁないの!
友彦は、実は幼いときのあなただったんです!

友彦のまぼろしが像を結んだ。
白熱した運動場の真ん中にあのときの友彦がよみがえった。
金吾は、突然の、強烈な、ついに自分自身を見出したという確信に促され、死んでしまったこの少年殺人犯を、力いっぱい抱擁したいと切に願った。
子供たちは、姫ちゃん、チャージ、姫ちゃん、チャージ、と連呼していた。ボールが四方から投げつけられる。
姫子がスカートをひらめかせて右から左へ、天女のように宙を舞った。
友彦が、醜いな体をくねらせ、頭をのけぞらせ、歯をむき出して、跳び上がった。
二人の姿は、空中で交差し、見事に重なった。

                           (完)
























































































作品名:涼子あるいは…… 作家名:安西光彦